お茶の成分
茶に含まれる成分は?
お茶には、様々な成分が含まれています。体にとって良い効果を持つ成分も含まれており、そのため茶は昔から「朝茶三里行っても飲め」ということわざがあるほどです。
では、その茶には、どのような成分が含まれているのでしょうか?
生の茶葉に含まれる基本的な成分としては、水分が最も多く、平均すると70%程度になります。
もちろん、茶は、早い時期に摘む場合と遅い時期に摘む場合とでは、その成分が変わって来ることが知られています。
新芽の季節に摘む場合は水分含有量が多く、茶葉は約75~80%が水分で構成されています。一方、冬の成葉の場合は、水分含有量がやや少なく55~60%程度となっています。
この水分のほかの固形成分には、各種アミノ酸、たんぱく質、アミド、カテキン類、プリン塩基類(カフェインなど)、炭水化物(糖、デキストリン、デンプン、ペクチン、セルロース)、植物色素(葉緑素、カロチノイド、フラボノール誘導体アントシアン)、樹脂類、有機酸、酵素、ビタミン類、無機成分(灰分)、精油分(香気成分)など多くの成分が含まれています。
生の茶葉が製茶されると、水分の多くは蒸発し、タンパク質、炭水化物の含有量が多くなります。さらに、その他の成分の含有量も、それぞれの茶の種類によって異なってきます。概観すると、以下の図のとおりです。
このように様々な成分が含まれる茶ですが、お茶が他の植物とその成分で大きく違う点は、テアニン、カフェインを含むことでしょう。
また、カテキン類の含有量が多いことや無機成分としてマンガン、フッ素が比較的多いことも特徴としてあげることができます。
特にテアニンは、ツバキや山茶花の発芽直後の幼植物体を除いては、一般の動植物には存在しないアミノ酸で、窒素を貯蔵する役割を担っています。主に茶の根で合成されますが、根から転流し葉にも含有するものだとおいわれています。
なお、テアニンは、抹茶の原料となる碾茶や玉露を作る際に、茶葉の上に黒い布などで覆いを作り日陰にして栽培する「被覆栽培」という方法を採用することで増加します。そのため、中国緑茶の場合はそれほど多くはありません。また、成葉を利用する烏龍茶や紅茶の場合も、その含有量は抹茶や玉露に比べると少ないといわれています。
さて、各種のお茶に共通に含まれる成分や、それぞれの成分の特徴等については、次回お話することにしましょう。