緑茶の五性は?
上質な緑茶を飲みましょう(写真:信陽毛尖)
毎日暑い日が続きます。こんな暑い日は、ついつい冷たい飲み物をのんでしまいますね。でも、冷たいものばかり飲んでいると、なんだか体がだるくなりませんか?なんとなく夏ばて?というような状態に陥ってしまうことがあります。
そんなときには、あえて熱い緑茶を飲むのがお勧めなのです。
東洋医学では、昔から食材には五気、五性があるといわれています。つまり食材が持つ「寒、涼、温、熱、平」という性質です。たとえば、「寒性」とは、読んで字の如く、「寒い性質」を持つものを意味します。手っ取り早く言えば、身体を冷やす性質とでもいうのでしょうか。
体が火照ってしまうことや、直ぐに汗をかいてしまう、赤ら顔、口の中が乾くなどの症状があると、漢方では「寒性」の食材や薬剤を利用するのです。
さて、なぜ夏に熱い緑茶を飲むのがおすすめかというと、まさに、緑茶はこの「寒性」を持つ食材だからなのです。
もちろん、暖かくして飲んでも緑茶は「寒性」を持ちます。むしろ、熱い場合は、暖かい緑茶が発汗とともに体の中から熱を取り去ってくれるのです。
ずいぶん昔に、香港で夕食に肉を鱈腹食べたことがありました。帰り際に香港人の友達は、「明日の朝、緑茶を飲むといいよ」とアドバイスしてくれました。「なんで緑茶?」とそのときには思ったのですが、まさに、肉は「熱性」の食べ物。身体を熱くする性質を持っています。だから、彼は寒性の緑茶で体のバランスをとることを勧めてくれたのです。
もちろん、緑茶のもつポリフェノール、いわゆるカテキンには、血中コレステロールを下げ、抗菌作用もありますし、体内の熱を下げるとともにイライラを解消し、利尿作用を促進し解毒する優れた作用があると言われています。
唐の時代の茶人「陸羽」が「茶は倹徳のある人の飲み物にふさわしい」といったのも、まさにこの緑茶の持つ「寒性」を表現したものであるとも考えられます。