中国茶/茶器・茶道具

中国茶のスターターキット(2ページ目)

中国茶を始めるときに最低必要な茶器をご紹介します。

執筆者:平田 公一

茶杯を選ぶ



お気に入りの茶杯を探そう


茶壷、蓋碗の次は、茶杯(ちゃはい)です。

中国茶で使う茶杯は、明代以降、日本茶の茶碗よりも小さめのものを使うのが一般的です。

もちろん、淹れる茶によってガラスのコップを使ったり、茶漉し付きのマグカップをつかったりもできますが、中国茶を淹れる道具は、古い時代の文人が文房具(書を書く道具など)を使ったものが進化したのだといわれ、文人が好んだ酒の杯がそのまま茶を飲む道具にも流用されたため、小さいものが好まれるようになりました。特に烏龍茶を飲む場合の「工夫茶」と呼ばれる淹れ方の場合は、胡桃ぐらいの大きさの茶杯が好まれて使われています。

清代の役人袁枚(1716~1797)は、その著書で料理読本であった『随園食単』の中で、武夷岩茶を飲む場面で「・・・杯小如胡桃,壷小如香櫞‥‥。(茶杯は胡桃のように小さく、茶壷はみかんのように小さい・・・)」と書いています。

茶杯も磁器製のもの、陶器製のもの、そしてガラス製のものなど、様々な素材のものがありますが、これは好みで選ぶと良いでしょう。私のお勧めは薄めの磁器製で、絵柄のきれいなものです。

さて、中国茶の場合、もう一つ茶杯関連で紹介しておかなければならないものがあります。それは香りだけのために作られた「聞香杯」(もんこうはい)。紅茶にも日本茶にもない、中国茶独特の茶杯で、茶を飲むための茶杯(これを飲杯と呼びます)よりも細長く背の高い器です。

まず、茶を聞香杯に注ぎ、そこからその茶を飲杯に注いだら、空になった聞香杯を鼻に近づけて香りを楽しんでください。華やかなすばらしい香りの変化が楽しめるでしょう。

中国茶の香りと聞香杯については、「中国茶、香りの世界・味わいの世界」をご覧ください。

次のページでは、茶海、茶盤、その他の茶器について御紹介します。

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