中国茶/中国茶の基礎知識

中国茶の産地-4つの茶区(2ページ目)

中国大陸を大まかに4つの区域に区分して茶の産地を見てみると、とてもわかりやすいのです。まずは、この区分を覚えてみましょう

執筆者:平田 公一

西南茶区(Xinan)

西南茶区
西南茶区は長江の西南部に位置し、雲南省北部、四川省、チベット東南部、貴州省あたりを含みます。

地形は複雑で高地が多く赤土や黄土の土壌が多いのが特徴の地域です。

気温差は激しく、年間平均気温15~18度の亜熱帯モンスーン気候に属するため雨が多いのが特徴で、冬は寒くなく、夏はひどく暑くないという茶にとっては絶好の環境になっています。

四川、貴州とチベット東南部は黄色の土壌が主で、少量の褐色の土壌が分布しています。また、雲南は主に赤色の紅土が主流となっています。これらの土壌には有機物の含有量が多いといわれ、茶の生育には適しているといわれています。

この地域では、主に緑茶、紅茶、黒茶が栽培されています。

また、茶の原産地といわれる雲貴高原があるのもこの地域です。そのため、その茶栽培地としての歴史は長く古いといわれています。潅木型と喬木型の茶樹があり、一部の地域では樹齢数百年の大葉種の喬木型茶樹が群生する一 帯があります。

四川省の銘茶、蒙頂黄芽
この地域で有名なお茶がいろいろと栽培されています。

  雲南省  沱茶(とうちゃ)
       シ眞紅(てんこう)
  四川省  竹葉青(ちくようせい)
       峨眉毛峰(がびもうほう)
       蒙頂甘露(もうちょうかんろ)
  チベット 珠峰茶(しゅほうちゃ)
  貴州省  都均毛尖(といんもうせん)
       貴定雪芽(きていせつが)

華南茶区

華南茶区
華南茶区は、日本にもなじみの深い烏龍茶の産地を中心に広がっています。

福建省南部、広東省、広西省、海南省、雲南省南部などです。中国では、これに台湾を含めますが、ここでは別に区分しておきます。

中国最南端の茶区になりますが、そのため平均気温も20度前後で、年間降水量は常に20O0ミリメートルを上回り、土壌は土壌はラテライトが主で一部の地区にも紅土と黄色土壌の分布があり、肥沃でお茶つくりには最適な場所です。

中国の最も茶樹の成長する地区であるといわれ、様々なタイプの品種があります。そのため、茶樹資源はきわめて豊富で、紅茶、青茶、花茶、白茶など、様々な茶が栽培されています。

潅木型と喬木型の茶樹が両方見かけられる地域でもあります。

福建省の銘茶、安渓鉄観音
この地域で有名なお茶は、

  福建省 安渓鉄観音(あんけいてっかんのん)
      ミン南水仙(すいせん)
      黄金桂(おうごんけい)
  広東省 鳳凰単[木叢](ほうおうたんそう)
      英徳紅茶(えいとくこうちゃ)
  広西省 石上銀針(せくじょうぎんしん)
      六堡茶(ろっぽちゃ)
  海南省 海南紅茶(かいなんこうちゃ)
  雲南省 普[シ耳]茶(ぷーあるちゃ)


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