中国茶と中国茶器の専門店「恒福茶具」
オンラインショップオーナーインタビュー再開第二弾は、宜興の若手作家の作品を大変リーズナブルに提供してくれる「恒福茶具」さんです。実は、このお店、なかなか手ごろで使いやすい「倣古壷」をいろいろと置いてあるというだけで、惚れてしまったお店なのです。
オーナーの白川好伯さんは、みずからも陶芸をされる方。陶器の良さが分かるオーナーというのも信頼できますね。早速、いろいろとお聞きしてみました。
リーズナブルな倣古壷 |
野趣壷(張泉林の作品) |
天片石瓢壷(呉 小平の作品) |
中国茶のオンラインショップは今やかなりの数に登るのですが、茶器を主力にしたオンラインショップはそれほど多くないと思うのですが、もともと白川さんが茶器を中心に販売しようとした理由はどんなところにあるのでしょうか?
■ 白川さん
「恒福茶具」の中心販売商品は宜興紫砂壺ですが、なぜ中国茶ではなく紫砂壺が中心なのかという理由は、私の趣味によるところなんです。遡る事30年以上前になりますが、学生時代に陶芸の魅力に虜になり、日本六古窯の一つでもある常滑を訪れた時の事です。
今は人間国宝である「山田常山」の元へお邪魔して、作品の急須を見せていただきました。「山田常山」の作る急須は急須という日常雑器でありながら、その作品は芸術品のレベルにまで達した今までに見たことも無い美しく機能的な急須でした。
一目見てその美しさと気品に魅了され、その頃は陶芸を始めて間もない頃ですから勿論急須を製作する技術を持ち合わせてはいませんでしたが、いつかこれに勝るような作品を自分で作ろうと決心しました。
話が長くなって申し訳ないのですが、今に至ってもまだ「山田常山」を追い越す事は出来ませんが、それ以来趣味の陶芸で急須を作り続けています。
当然その頃から急須をコレクションすると共に、勉強しながら色々な作品を見ることを心がけていました。その結果宜興紫砂壺へ行き着いた、それが「恒福茶具」の中心販売商品が宜興紫砂壺である一番の理由です。
自分自身も急須を製作しますし、急須が好きで好きでたまらなくて、自分が愛するものを多くの方に知って頂きたい、それがネットショップを始めたきっかけでもあります。
常滑の朱泥の急須も元々は宜興の職人が技術を伝承した訳ですし、急須を知れば知るほど、最後は宜興紫砂壺へ行き着くという事です。
▼ ガイド
なるほど、陶芸や急須がありきだったのですね僕も常滑で山田常山の作品を見たことがありますが、すばらしい造形美ですよね。
急須と出会ってすっかり魅せられた白川さんが、急須だけではなく中国茶と出会ったのは何時頃のことだったのでしょうか?
■ 白川さん
茶器との出会いは「山田常山」の急須から始まっていますが、中国茶との出会いは具体的にはここ十年以内の事です。婦人服の仕事の関係で中国へ出張する機会が度々あり、空き時間があると趣味の急須方面に足が向き、中国茶の茶商とも出会いがありました。
日本では本当に美味しい中国茶を知る事は無かったのですが、やはり中国現地で飲ませてもらうお茶は感動とショックの連続でした。
それからというもの茶器と共に、中国茶の奥深い魅力にもはまった訳です。