2003年7月7日、大阪・本町にオープンした「邀月」。香港で人気の「邀月茶館」(ムーン・ガーデン・ティー・ハウス)の雰囲気をそのまま大阪の地で堪能できる店として誕生しました。
香港店のオーナー朱映華(Vincent Che)氏が直接スーパーバイザーとしての手腕を発揮したとの前評判を聞き、早速訪問してきました。
現在「皇月」という名前のモダンチャイニーズのお店に変更しています。お茶などは引き続き楽しめるようです。
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▼ 邀月
素敵な茶藝館になかなか出会えなかった香港に1998年に誕生した「邀月茶館」(ムーン・ガーデン・ティー・ハウス)は、台湾風のモダンシノワな空間が愉しめる茶藝館として一躍有名になったお店です。コーズウェイ・ベイという場所柄、いまでもさまざまな有名人が訪れる文化的な空間としても知られています。
その「邀月」が大阪北御堂の裏手にオープン。ビル一つそのまま「邀月」。エントランス横には小さな流れが作られ、金魚が泳ぎ、オープンカフェ風のスペースには、アンティークのテーブルがぽつんと置かれ、なにやら素敵な雰囲気をかもし出しています。
一階のガラスドアを入るとすぐ右手が小さな茶館風のスペース。茶器や茶葉、そしてテイクアウトできるアジアンスイーツが並び、カフェ風のテーブルが数卓並んでいます。
お店のスタッフに乞われるままニ階に上がっていくと、正面のワインセラーにワインがズラリ。ここは高級料理店?という印象が・・・。
右手が広い茶館風の空間で、左手が二つ並んだ素敵な個室になっています。三階も基本的には同じ作り。茶館風の空間で早速お茶を頂くことにしました。
ほの暗く素敵な雰囲気に仕上がった店内は、中国家具やテーブルが程よい間隔で並び、控えめに流れる中国風の音楽BGM。なかなかの雰囲気をかもし出しています。
香港の本店から腕に自身のあるシェフを連れてきたというだけあって、料理メニューもかなり充実していますが、やはり注目すべきは茶譜(ティーリスト)。緑茶から始まり花茶まで、通し番号はなんと70。70種類もの中国茶が愉しめるのはとても嬉しいですね。もちろん大陸のお茶のみならず、台湾のお茶もいろいろと品揃えが豊富。
やはり面白いのが、香港系のお店らしくプーアールの品揃えが多いことでしょうか。しかし、「紅印圓茶」という55年物のビンテージ茶が7750円。この値段にはびっくり。確かに本物の紅印のプーアールならそのぐらいしそうですが、でも一体誰が飲むのでしょう・・・。
私は、比較的リーズナブルな価格の鴻泰昌圓茶というプーアールを頼んでみました。蓋碗に茶葉が入って、湯はティーポットに。1ポットで3煎ぐらい飲めるし、湯の御代りは持ってきてくれるのですが、湯が冷めてしまうのが難点でした。個室だと煮水器が用意されるということなので、お茶をメインにオーダーするとちゃんとお茶が愉しめるのかもしれません。
西湖龍井も悪くない味でしたが、やはり全体的に高めの値段設定という感じがしました。
さて、点心とスイーツもオーダーしてみましたが、点心はお薦め。細かい工夫がしてある料理が多く、味もしっかりとしていて美味しく頂けました。スイーツは、同レベルの味のものは日本でもあちこちでお目にかかれるようになり、目新しさは感じませんでしたが、豆腐花、マンゴープリンなどの定番をはじめ、ゴマ団子などいろいろと愉しめます。
デザートを愉しみながらお茶を飲むか、料理主体にプーアールなどを愉しむか、いろんな愉しみ方が出来そうなお店でした。
(店内画像の一部をパタさんからお借りしました。ありがとうございました。)