中国茶/おすすめの緑茶、黄茶、白茶

径山茶(2ページ目)

日本ととても関係の深い浙江省余杭の径山寺で作られる、とても飲みやすいお茶、それが径山茶です。

執筆者:平田 公一

径山茶はどうつくられるの?


径山茶は、宋代まで他の茶の例に漏れず、蒸製の団茶(固形茶)として作られていましたが、明代になり蒸製の散茶にかわり、さらに12世紀末に蒸製から炒製の緑茶に作り方が変更されたと伝えられています。この地区では現在の中国になった当時は龍井のような作り方でお茶を作っていましたが、径山茶が復刻された際に「毛峰茶」として作られ、現在もその形に製茶されています。

現在では、穀雨前に、茶葉を朝露が乾いた午前中に一芽一葉~二葉で摘み、風通しの良い籠に敷きつめ、少しの時間空気に晒します(中国茶の用語で攤放(たんほう)といいます)。この工程は、茶葉の青味を抜き、香りを良くするために行われるのだそうです。

次に若干斜めになっている傾斜釜で茶葉を炒り、手で丁寧に揉捻されます。その後、竹製の籠に入れて上から白い布をかけて炭火の上で[火共]焙、乾燥させて作られるそうです。水分は比較的少なめで7%程度。出荷まで石灰の入った貯蔵庫で保存されるそうです。

淹れ方のポイント

細長く華奢なこのお茶は、目でも楽しめるお茶です。香りも甘みもありますので、ここは欲張って両方楽しんでしまいましょう。

中国緑茶に共通することですが、淹れ方は、あまり難しく考える必要はありません。茶葉が長細いので、後から湯を入れる「下投法」を使うのが一般的です。

茶器:
蓋碗でも良いのですが、茶葉のゆっくりと広がる様子を楽しむために、フルートグラスなどを使うとよいでしょう。上の方がややつぼまった細長いフルートグラスが香りも楽しめて最適です。もちろん、日本茶のように急須や宝瓶で入れるのもOKです。

湯の温度:
茶葉の旨み(甘味、苦味、渋み)が凝縮された緑茶ですが、香りを楽しむために、まず熱湯を1/3ぐらいまでそそぎます。そこで、十分に茶葉の香りを楽しんでください。その後75度ぐらいの湯をたします。温度をここで下げることによって、余分なタンニンの抽出をおさえましょう。まろやかに甘みのあるお茶にしあがります。急須を使うときには、85度ぐらいの湯を使うのがお勧め。

茶葉の量:
使う茶器によって異なりますが、180ccぐらいの茶器の場合は、3g~5g程度で。

下投投法:
入れ方は「下投法」を使います。下投法とは、すでに皆さんが普通にお茶を入れるときにやっているやり方です。茶葉を入れて、その後に湯をさしていくやり方を下投法といいます。茶葉が大きくて沈みにくいものは、通常この下投法を使って入れることになります。

蒸らし時間:
1煎目の目安は大体1分程度。2煎目はやや時間を長く1分30秒ぐらいで淹れてみましょう。湯の温度を徐々に下げたりして変化を楽しむのも面白いと思います。

お茶請け:
日本茶に似たとても飲みやすいお茶ですから、和菓子やカステラ、中国のお菓子だとマーラーカオなどとのマッチングが抜群です。


 是非、皆さんもおいしい径山茶を楽しんでみてください。


 径山茶が買えるお店
  香香
 http://www.xiang2.co.jp/
  茶遊苑RIKO
 http://www1.odn.ne.jp/sayuuen/
  華蓮
 http://www.hualian-net.com/
 

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