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台湾の丸まったお茶がすべて凍頂烏龍茶ではありません。むしろ凍頂烏龍茶というのは、一部の地方で作られる地方茶のようなもので、台湾には様々な烏龍茶の産地があるのです。ただ見ただけではそれが青心烏龍種で作られた凍頂烏龍茶なのかどうかは、恐らくわかりません。もちろん達人になると桃園の青心烏龍だなどとあてられる人もいますが、私など金萓茶と四季春の違いくらいならわかるものの、どっちが凍頂烏龍だ?と聞かれてもわかりません。
こういう場合は、結局お店の表示を信じるしかないのですが、とにかく、凍頂烏龍茶というのは、特定の地域(鹿谷周辺)で特定の方法(軽い発酵の烏龍茶で、茶葉が丸められている)で作られたお茶だということを覚えておいてください。
→ 産地と品種を確認すべし!
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前回の記事でも指摘しましたが、メチル化カテキンの含有が確認されている台湾のお茶は、市販の凍頂烏龍茶と青心大有という品種とされていますので、なにぶん情報が少なくてわかりにくいのですが、メチル化カテキンを含有するのが、品種の特徴ということであれば、青心烏龍種や青心大有種という品種で作られた発酵度の軽いお茶が花粉症に効果があるということではないかと思われます。そうであるならば、青心烏龍種の台湾での生産量は50%を占めるので、凍頂烏龍茶だけではなく台湾で作られる多くのお茶に含まれているということになります。
→ 青心烏龍や青心大有なら凍頂烏龍茶にこだわる必要はないかも!
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そして、凍頂烏龍茶が花粉症に効くとされたとたん、品切れ、粗悪品が出まわるなどの弊害が本当に短時間で発生してしまったことは、茶のみにとっては非常に残念なことであったということです。じっさい、こんなことが起こってしまったため、「なーんだ、凍頂烏龍茶なんておいしくないじゃない」という声も聞こえてきます。でも、是非一度、効能ということは忘れておいしい凍頂烏龍茶を楽しんで欲しいと思います。
→ 茶は愉しむべし!
ということで、いろいろ考えさせられたこの一週間でした。
凍頂烏龍茶とパッケージに書かれていれば売れる!という考え方が、品質の低下や偽物の流通の一因なんのかもしれません。もちろんまじめな商売をしているお店も多いのですが、こんなことで凍頂烏龍茶の名声が地に落ちるのは見ていられないですね。
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