その後、しばらく空白時期がありましたが、秋になって各社再び新製品を競って発売。 まず、ネスティーが「中国緑茶 香ばし仕立て」を9月30日に発売すると、負けじとサントリーも10月15日には中国緑茶のラインナップに「釜炒り仕立て」(季節限定発売)を加えました。両方とも、秋冬ならではの茶葉を釜で炒る中国緑茶の製法を強調した、香ばしい茶葉の使用比率を高めた新製品で、「火香(ひか)」と呼ばれる釜入りの香ばしさは口の中に甘く広がり、今までにない新しい中国緑茶の世界を日本に紹介してくれました。 春に発売になった中国緑茶より、香り重視という点で日本茶と差別化を図ろうとした苦心の後が見受けられる印象深い商品でしたが、季節限定ということもあって、あまり知られなかったのではないでしょうか。
さて、2003年に入ると、再び各社から中国茶の新製品が続々誕生。 まず、そのトップバッターは、1月20日に発売された「サッポロ 烏龍美人」。「サッポロ 烏貴妃」の後継商品で、「東方美人」を100%使用した上品ですっきりした味わいの烏龍茶です。パッケージのデザインも一新し、その斬新で新しい感覚は、今までの烏龍茶との差別化が全面に押し出された商品に仕上がっています。 続いて1月27日発売の「ネスティー 烏龍道」。いままで女性をターゲットにした茶系飲料が多い中で、主要購買層である男性をターゲットとした、こく深い味わいが特長の烏龍茶。「紺色のパッケージに浮き立つ「烏龍道」の文字は、そのストレートな味が持つ力強さと、烏龍茶の世界をとことん探求した、真面目さを表現しています。」とPRするだけあって、その特徴が目立ちます。
さらに、今度はサントリーが「中国緑茶」を全面リニューアル。いままでの中途半端さを一気に払拭し、西湖龍井の香ばしさと爽やかさを全面に押し出した「中国緑茶」を2月18日に発売。先だって行われたイベントでも、日本茶とは一線を画するおいしさと評価されています。デザインも今までの青という斬新さから、一気にオーソドックスな緑缶に。その変化も大胆の一言。 そして、最後に登場するのが、正統派烏龍茶で人気の高い伊藤園がフューチャーする「金の烏龍茶 黄金桂101」。 2月24日より全国販売が開始されます。福建省安渓の有名なお茶「黄金桂」を惜しげも無く使ったこの新作は、「独自の“洗茶工夫製法”(特許出願中)*」で抽出された苦渋みの抑えられた香料や調味料を使用していないそのままの「黄金桂」の味・色・香りを表現しています。独自の製法によって引き出されたトップクラスの味わいから「101」と名付けられたこのお茶が、どのように受け入れられるかとても楽しみです。 *洗茶工夫製法=最初に水で茶葉を洗うことでお茶の苦渋味を取り除き、次に密封状態で高温抽出することで「香り」とほどよい濃さをもつ「味わい」を最大限に引き出す、独自の製法。 。(伊藤園「プレスリリース」より)
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