パン/パン業界情報、イベント

フランス国家最優秀職人による製パン講習会(2ページ目)

モンディアル・デュ・パン日本実行委員会主催、MOFの称号を持つドミニク・プランショさんとチェリー・ムニエさんによる伝統的なパン、世界中でヒントを得て生まれたスペシャリテ等、製パン講習会の内容をレポート。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

パン フュイユテ ロックフォール グリエール

「パンをつくりながら世界中を周る私達アンバサドール協会の象徴のようなパン」とムニエさんが言いました。 世界のどこかでヒントを得て、それをまたどこかで教える。 それがアンバサダー協会のいいところなのだそうです。

このパンは、ロシアでヒントを得たムニエさんのスペシャリテ。当時は言葉が通じず、このパンに何が入っているのか聞けずじまいだったので、フランス人らしくロックフォールチーズを入れてみたのでした。「いろいろなものを折りこんで、自分のイマジネーションでつくってみてください」とムニエさん。

5℃に置いた捏ね上げ生地にバター30%、ロックフォールチーズ15%のシートを入れ3つ折りを2回
6mmの細切りにして型に入れる。隙間ができることでふわふわの食感に
仕上げはグリエールチーズ25%を振りかけて焼く

フォカシア

ムニエさんのフォカシア(フォカッチャ)は、対粉15%のマッシュポテト、10%の生クリーム、10%のオリーブオイルの入った柔らかな生地を天板に延ばして焼きます。

マッシュポテトの粉はしっとり、口どけの良い生地を作りますが、水を吸います。「必ずさわって、状態を見ながら、水を入れる分量を身体で覚えてください」とムニエさん。テキストにあった60%の水分量がバシナージュ(ミキシングの途中で加水すること)で85%になりました。

フォカシアのトッピングはオリーブイオイルと塩、香草だけでも良いそうですが、この日はパプリカのソテー、ニンニク、ロースハム、パルメザンチーズ、ドライオレガノ、ドライバジル。もちもちとしたピッツァといった感じに仕上がりました。

オリーブオイルを塗って指で穴をあける
焼き上がりを四角く切り分ける

バゲット チェリー ムニエ

ムニエさんの名前のついたバゲットには、1%のローストしたコーンフラワー(トウモロコシの粉)を入れます。コーンフラワーは香りを良く、内相をクリーム色にしますが、この色は控えめなミキシングで、空気が入らないからでもあります。ミキシングの代わりにパンチを3~4回することで、グルテンの膜を張らせます。

発酵を充分にとって分割を始めます。「良い分割で成形の半分が終わる」という諺があるそうです。クープは刃を横に、表面の皮をそぐように入れます。1本目の1/3に重なるように次の1本を入れていくと、きれいにクープが立ちます。

バゲットやカンパーニュのおいしさの条件は、発酵でできる良い味と、薄皮のパリパリとした食感にある、とムニエさんは言います。

バゲット チェリー ムニエ


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