世界のパン、伝統のパン
「世界のパン部門」、「デニッシュペストリー部門」、「サンドウィッチ部門」、「芸術的作品」という4つの競技種目の中にもそれぞれ細かい課題があり、パンの種類や個数、粉の量や焼成後の重量などが定められています。 たとえば「世界のパン部門」の内容はさらに、フランス伝統のパン(バゲットを始め各種食事パン)、健康食品的パン(穀物や粒状の種子を使用したパン)、出身国を代表するパン(出身国の典型的伝統パン)の3種類に分けられています。ここで「出身国を代表するパン」が気になります。日本を代表するパンとして、西川さんは何を考えるでしょうか。
「お米もひとつですよね。角食パンのバリエーションもいいかも。国際的に通用するおいしさ、世界中を楽しませるパンを考えたいですね」ここには書ききれないほどのアイディアが次々に語られました。
前回優勝したイタリアの作品 | 前回日本は5位入賞の快挙 |
大会出場に向けて
西川功晃さん |
「競い合う感覚はもちろんありますけれど、コンクールで評価される傾向と対策に取り組むのではなく、今までやってきたことを改善しながら、自分の引き出しで臨みたいと思っています。自分のおいしさを伝えたいなという考えです。クロワッサンひとつでも、ミルクやバターのおいしさがきちっと存在している焼き方をしないと。おいしくて無駄のないものを作りたいですね。大事なものを残す。それが日常のパンにつながるんだと思います」
西川さんがいつも言葉にして提案し、実践し続けていること。 「おなかだけでなくて心も満たす、日常のパン」。
やさしさと自由な発想で作られる西川さんのパンが来年の大会に並ぶことを想像すると、今から楽しみな気持ちになります。
今後は、国内外での公開トレーニングも予定されています。
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