パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ベッカライW+haus(ダブルハウス)【町田】

町田駅にほど近い静かな住宅街で、やさしい雰囲気のパン屋さんを営む渡邉幸子さん。自宅の1階にある店は渡邉さんご自身の設計によるものです。子供からお年寄りまで皆に愛される温かな味わいのパンをご紹介します。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

ベッカライダブルハウス、パン屋の渡邉家

「W+haus(ダブルハウス)のWは渡邉のW、hausはドイツ語で”家”の意味です。”+”は北欧の国旗にもあるでしょう。デザインが好きなんです。なんでもプラスに、という気持ちも込めました。ベッカライW+hausは”パン屋の渡邉家”ってところです」

オーナーシェフの渡邉幸子さんは、店の名前についてそんなふうに説明してくれました。
先日のセミナー 「全部の夢をかなえる方法」の記事で、設計の仕事からパン職人へ転職、3人のお子さんを育てながら自宅1階にパン屋さんをオープンした渡邉さんのお話をお伝えしましたが、今回はそのお店を取材しました。

ベッカライW+hausは渡邉さん自らが設計したお店。町田駅から徒歩10分の閑静な住宅街にあります。

スタッフの皆さんと渡邉幸子さん(右)。窓が大きくあかるい店内。毎日この笑顔でお客さんと話をする。そのなかでアイディアが湧くこともあるという。
カスタードクリーム、粒あんは厨房で炊いているチョコまくら、くりDEちゅー(各84円)は子供の好きなパン

ミニサイズのパンとバリエーション

このお店には 小さなサイズのパンがいろいろあります。お年寄りや小さな子供のお客さんが多いので、おいしく食べきってもらえるように。

子供のサンドイッチのお弁当に使える丸パンも何種類かあります。食パン生地をふんわり丸めた「あやちゃんのほっぺ」、全粒粉30%の生地の「全粒ロール」、ほのかに甘い菓子パン生地を小さく丸めたプチパンなど、どれもこれもやさしくて温かい。おかあさんの味がするパンというのがあるなら、きっとこんな味です。ちなみに”あやちゃん”とは、5歳のお嬢さんの名前です。

小さいお客さんも多い。フランスパンもミニサイズ
あやちゃんのほっぺ(63円)全粒ロール(42円)

面白いパンもあります。50センチ近くもある「天然腸詰めポークウィンナー」はパン生地のひもをウィンナーに巻きつけて焼いているので、中に空洞ができず、食べているうちにウィンナーがはずれてしまうこともないのだとか。さめても美味しいので、カットしたらお弁当にも向くそうです。

天然腸詰めポークウィンナー(400円)

パンの形は多種多様だけれど、パンに合わせる食材には保守的な渡邉さん。「パンはパンらしく。あとはお客さまが自分でお好みのものとあわせてくれたらいいと思います」

「菓子パンも、パンに合うちょっとしたジャムやクリームでじゅうぶんだと思う」という彼女は、フレッシュなフルーツを盛ったデニッシュのかわりに、さまざまなクロワッサンをつくります。 甘栗とマロンクリーム入りやカスタードとバナナを挟んで焼いたものなど、それはありそうでない新鮮な組合せです。

クロワッサンのバリエーションはパン・オ・ショコラ、フランボワーズ入りのクロワッサンダマンドの他、オランジュ、マロン、バナーヌなど数種類。(157円~241円)

次のページはガイドのわたしの好きなパンをご紹介します。
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