自分のパン屋さんを開業するまで
浅野屋でパン職人として働き、女性オーナーの個人店への出向も経験した渡邉さんは、自分の店を持つことの大変さを学ぶとともに、その夢を実現させる意思を固めていました。入社2年が経つ頃、JBM(ジャパンベッカーマイスター協会)事務局の仕事で、大手リテイルベーカリー商品開発部から技術指導に来ていた素敵なご主人との出会いがありました。
実演の様子。奥に見えるのが手伝いに来られたご主人。 |
一人で仕込みをした経験がないなど、不安を持っていた渡邉さんはご主人に週末の指導を仰いだそうですが、子供がまだ小さかったので、ほとんどまともに焼く時間が持てず、店は完成していてもオープンに至らず、窯を空焼きし、空の冷蔵庫を冷やすような、準備の日々が続きました。
1歳半の長女を抱え、ようやくオープンしたのは38歳の時でした。
自分のお店を持ってから
オープン一ヶ月前、渡邉さんは2日間の試食会を開きます。お知らせを1000枚つくり、近所にポスティング、訪れた延べ300人にものぼる近所の人たちにアンケートを行い、お客さんの構成や味の好みを把握、翌月に正式オープンしました。それが今から約4年前。これからは、パンをより楽しく、美味しく食べてもらうために、また新たな夢を温めているところなのだそうです。
クレッセントの成形。これは溶かしバターと黒糖を巻き上げているところ。 |
思い描き、強く望むこと
「仕事をしながら、生活もちゃんとして、子供も育てていくには、頑張り過ぎないことです。子供は仕事にとってマイナスに考えがちですが、なるべくそうしないで、いい環境をつくっていける状況をイメージするんです。なるべく具体的に思い描き、望むことが大事。そういうことが根底にあるから、大変なことをのりきっているのかな」人生の節目ごとに、自分の今いる場所を見つめ、その先をイメージし、自ら行動してきた渡邉さんのお話から、多くの参加者が「すべての夢をかなえる方法」のヒントを受け取ったことでしょう。
次のページではセミナー後に開かれたブフェパーティのテーブルに並んだチーズやパンについて ご紹介します。
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