パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

ブーランジュリーコシュカ【深沢】(2ページ目)

数々の有名店で修業した職人の秋元英樹さんがこの春、深沢に自分の店をOPEN。シンプルなフランスパン、デニッシュ、食べ切りサイズの焼きこみ調理パン、日本の菓子パンなど、さまざまなパンが並んでいます。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

食べきりサイズの美味しさ

500円玉ひとつあれば、あれこれ3つくらい買うことができておなかもいっぱい。パンはすごいなぁと思います。そんな食べ切りサイズのパンがコシュカにはいくつもあります。

「ぽてと」はジャガイモの角切り入りのフォカッチャ。エダムチーズが香ばしく、そのままでもいいですが、家で食べるなら夏野菜のグリルなど添えてみても。

「パンオフィグ」はイチジクとクルミに、オレンジピールまで入っているのが嬉しいパン。白カビチーズやワインと合います。イチジクのかわりにレーズンの入った少し大きめの「パンオフリュイ」(300円)もおすすめです。

バタークッペはシンプルなフランスパンにバターを塗ったもの。あたりまえの取り合わせですが、ひとくち食べると止まらなくなる美味しさです。
そう、コシュカのパンはどれも、生地じたいに正統派の美味しさがあります。

ぽてと(200円)

パンオフィグ(180円)バタークッペ(120円)


シンプルな美味しさ

秋元英樹さん
「毎日食べる普通のパンを普通に焼きなさい」
師匠に言われた言葉がいつも、秋元さんの心のなかにあります。

秋元さん自身、「バゲットやハードトーストなど、粉の味をシンプルに感じられるパンが好きです」というだけあって、彼がつくるその種のパンは、どれも毎日食べたくなる味がします。

たとえば「カンパーニュブラン」。その名のとおり白く、あっさりとしたやわらかめの生地は、食パン感覚で食べられます。

「カンパーニュ」は石臼挽き粉が入りうっすらと茶色味を帯びたパン。水分を多く含みしっとりとしていますが、スライスして焼くと軽く香ばしくなり、わたしはこれが好きです。

オーソドックスな角食パンもミミがカリっと、中がふんわりとした上質なトーストになるところがとても気にいっています。

菓子パンも、シンプルです。
「今まで、こういうパンはつくったことなかったんですけど……」と言いながらも、おすすめいただいた「あげパン」は、きび砂糖のやさしい香りと、意外にしっかりとした生地が人気の逸品なのだそうです。

そんな秋元スペシャル、といえるパンは日々、増えつつあります。

カンパーニュブラン(ホール480円)カンパーニュ(ホール680円)
食パン(1斤280円)あげパン(110円)

「まだ、コシュカのパンのラインナップは確定していません。秋までには、ルヴァン生地のパンなどを含め、納得のいくパンをちゃんと揃えたいと思って、毎日試作を重ねています」と秋元さん。

数々の名店を経てきた彼だからこそ、「普通のパン」が最も難しいパンだとわかっているのでしょう。自分に課すハードルも高いようです。
コシュカはオープンしたばかり。これから焼いていく予定のハード系やルヴァン生地のパンもまた、とても楽しみなパン屋さんです。

■ブーランジュリー コシュカ
設計施工 有限会社東匠


所在地:世田谷区深沢5-23-1

TEL:03-3703-5771

営業時間:10:00~19:00
定休日:日曜 
(2007年8月19日~26日臨時休業)

東急大井町線等々力駅より13分
地図:Yahoo!地図情報

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