おいしいパンのためのチーズとワインサワー種のパンはドイツ語表記、ルヴァン種のパンはフランス語表記と、名前で大まかに分類されるものの、ドイツにもフランスにもない志賀さんブランドのパン。それぞれが強い個性を持ちますが、ハード系のみならず、どのパンもワインやチーズに合うということにおいて、ゆるぎない統一感を感じさせてくれます。チーズもワインもテイスティングでき、購入できるというのは、この店の特徴のひとつです。 食べ頃のチーズ、飲み頃のワイン、一番適切な状態で供されるパン。夢のようなマリアージュが、この店のテーブルでひとときを過ごした人の記憶に刻まれていくことでしょう。 現在の主要メニューとなっている「本日のおすすめプレート」は、チーズ3種とドライフルーツ、ワインかミネラルウォーター、パンで1260円(チーズ5種は1890円)。パンはほんのり温めて一番いい状態でサーヴしてくれるのを、好きなだけいただくことができます。 ミネラルウォーターも、ワインに劣らずパンを引き立ててくれます。 ギリシャ産のミネラル発泡水、イオリフィジーやオランダ産の高酸素水、OGOなど珍しいものが揃っていて、お酒がのめない人でも愉しめると思います。
しっとりと、みずみずしいパンわたしが初めて口にしたシニフィアン・シニフィエのパンは、上の写真、チーズの皿のパンでした。焼き栗のグ ドゥ オートンヌ、ピーカンナッツと胡桃を両方使って味に奥行きを出したというパン オ ノア、「ドイツの知恵」という意味のドイチェ ヴァイスハイト、そしてバゲット。どれもがワインに合いそうなパンだと思いました。そしてしっとりとした生地にたたえられた水の量を想いました。パン オ ノアには「インカの目覚め」という北海道のジャガイモの裏ごしが入り、ドイチェ ヴァイスハイトにはレストブロート(パン粉)が入っていて、保水性を高めています。 レストブロートはロスをなくす(食べものを無駄にしない)ということだけではなく、このしっとりした感じや風味のよさにつながるのだそうです。
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