パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

シニフィアン・シニフィエ【三宿】(2ページ目)

ペルティエ、ユーハイムなどで魅力的なパンを創ってきた志賀勝栄シェフが新店をオープン。特長は体によい作用をすることを考えてつくられているパン。ワインやチーズと共にテイスティングできるスペースもあります。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

おいしいパンのためのチーズとワイン

サワー種のパンはドイツ語表記、ルヴァン種のパンはフランス語表記と、名前で大まかに分類されるものの、ドイツにもフランスにもない志賀さんブランドのパン。それぞれが強い個性を持ちますが、ハード系のみならず、どのパンもワインやチーズに合うということにおいて、ゆるぎない統一感を感じさせてくれます。

チーズもワインもテイスティングでき、購入できるというのは、この店の特徴のひとつです。
食べ頃のチーズ、飲み頃のワイン、一番適切な状態で供されるパン。夢のようなマリアージュが、この店のテーブルでひとときを過ごした人の記憶に刻まれていくことでしょう。

現在の主要メニューとなっている「本日のおすすめプレート」は、チーズ3種とドライフルーツ、ワインかミネラルウォーター、パンで1260円(チーズ5種は1890円)。パンはほんのり温めて一番いい状態でサーヴしてくれるのを、好きなだけいただくことができます。

ミネラルウォーターも、ワインに劣らずパンを引き立ててくれます。 ギリシャ産のミネラル発泡水、イオリフィジーやオランダ産の高酸素水、OGOなど珍しいものが揃っていて、お酒がのめない人でも愉しめると思います。

手前から時計回りに18ヶ月熟成のコンテ、ロックフォール、ミストラル。 ミストラルはプロヴァンスの栗の葉に包まれたシェーブル。 中央はフィグの赤ワイン煮、プルーンの白ワイン煮、胡桃。

冷蔵ショウケースに美しくディスプレイされたチーズも購入可能 テイスティングスペースにはテーブルが3つ(12席)
クロワッサン オ ルヴァンは 自家製酵母のクロワッサン。こんがり焼けた薄い層が美しい。 酒飲みという意味のビュヴールはルヴァン生地にレバーペーストを巻き込み、ハーブが香る。

しっとりと、みずみずしいパン

わたしが初めて口にしたシニフィアン・シニフィエのパンは、上の写真、チーズの皿のパンでした。焼き栗のグ ドゥ オートンヌ、ピーカンナッツと胡桃を両方使って味に奥行きを出したというパン オ ノア、「ドイツの知恵」という意味のドイチェ ヴァイスハイト、そしてバゲット。どれもがワインに合いそうなパンだと思いました。そしてしっとりとした生地にたたえられた水の量を想いました。

パン オ ノアには「インカの目覚め」という北海道のジャガイモの裏ごしが入り、ドイチェ ヴァイスハイトにはレストブロート(パン粉)が入っていて、保水性を高めています。 レストブロートはロスをなくす(食べものを無駄にしない)ということだけではなく、このしっとりした感じや風味のよさにつながるのだそうです。

イタリア産焼き栗の入ったグ ドゥ オートンヌもワインやチーズに好相性
三角形のドイチェ ヴァイスハイト。 北海道産のライ麦、オーガニックの小麦とオーツ麦が入っています。 黄金色のさつまいもがごろごろ入ったパンオパタートの小型、ドレ。中に黒ゴマ、外に白ゴマがたっぷり。

次のページでは シニフィアンシニフィエならではのパンをさらにご紹介します。
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