パン/パン屋さん取材レポート(西日本)

シェフが語る夢までの過程~創作パンの舞台裏Vol.1 コム・シノワシェフインタビュー(3ページ目)

神戸のブランジェリー コム・シノワといえば色とりどりの魅惑的なパンが溢れる人気店。自由な発想で生まれ続けるパン。そこには理由がありました。西川功晃シェフへのロングインタビューを連載でお伝えいたします。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

試合のような毎日。発想のための休日。

人気店の夕方のパン職人さんは皆、試合の後みたいな状態かもしれません。 充実感と爽やかな疲労。
それは大変だけれどしあわせなことに違いありません。
このインタビューの行われた夕方、厨房から出てこられた西川さんはまさにそんな顔をしていました。


カフェのディナータイムのパン達

その時出してもらったのがヴェルヴェーヌというハーブティー。
時間と戦ってイライラを感じた時、そこから回復するにはどうされているのかお聞きした時、その答えがこの飲みものでした。
ほっとする香り。前日早朝から長距離移動、講演、取材と続いたわたしも、このおかげでかなり持ち直すことができました。

ヴェルヴェーヌはオネストカフェでのむことができます。

これは西川さんがコムシノワのシェフになるずっと以前、人手がなかった厨房で、ひとりで大量の仕事を抱えて無理をしてしまった厳しい日々、心癒してもらったお茶なのだそうです。

「ヴェルヴェーヌをやかんでいれて冷蔵庫で冷やして。鎮静作用があると思いますよ。 あーしょうがねーな、やるしかないな、みたいなね。」

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今はその時とはまた別の忙しさがあるようで。まったく自由な日というのも月に一回あるかないかなのだそうです。


朝4時から夜は9時まで、その後本店に必ず寄るので日によっては11時を過ぎることもあるという毎日。 サッカーが好きで、今は走ることくらいしかできないけれど、ワンメーターをタクシーで往復しているような この生活ではそれもままならないそう。


そんな西川さんのプライヴェートタイムの過ごし方のひとつは読書。
書斎を持つ本好きのシェフなのでした。

西川:この間一日だけ休みがあって、たっぷり寝たら久しぶりにリフレッシュしてね、読書に没頭できて頭に入るんですよ。 ここ1.2年そういう日がなくてね、睡眠不足が慢性化して読んでも頭に入らなかったんですけど。
少しくらい寝なくても日々の仕事はこなせるんですよ、でも発想っていうのは乏しくなる。 もうちょっと充電できる時間をつくらないかんな、ということをこの時感じましたね。

清水:乏しくてこれくらいの発想力だから充実したらたいへんなことになるのではないかと思うのですが。(笑)

インタビューは続きます。→Vol.2へ


Vol.1
1.プロローグ
2.日々生まれ続けるパン達
3.試合のような毎日 発想のための休日

Vol.2
Vol.3
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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