うどん/味噌煮込み・きしめん

名古屋味噌煮込みうどんシリーズ3 山本屋本店 名古屋市

名古屋名物味噌煮込みうどんといえば山本屋。山本屋本店で味わう。味噌煮込みうどんの真髄。

執筆者:蓮見 壽


いつもにぎわう山本屋本店エスカ店



ベーシックな味噌煮込うどん
味噌煮込うどん界の巨星山本屋本店。もう一方の雄、山本屋総本家と名古屋で人気を二分する。隣接するこの2軒は常にライバル。ただしこの2店を同じ店だと理解してしまう人もたくさんいる。名古屋で山本屋というと20店近くがあることになるが、経営の異なる2系列である。
今回紹介するのは山本屋本店。最近東京の浅草雷門に新店をオープンしたのは山本屋総本家。ちなみに山本屋総本店というお店は無いのでご注意を。
とまあ紛らわしい説明はさておいて。


名古屋の味


私が名古屋の味で一番惹かれるのは蓬莱軒ひつまぶしだ。(笑)うどんじゃナインカイ!!と突込みが入りそうだが。
熱田神宮近くの蓬莱軒で食べたひつまぶしは最高においしい鰻料理だった。その少し前まで『ひつまぶし』のことをひまつぶしと固く信じていて不思議な食べ物だなぁと思っていたことを白状しよう。知人に名古屋のひまつぶしって何?って質問して笑われた。


味噌煮込うどん



豆腐けんちん入り味噌煮込うどん一半
話を本題に戻すと味噌煮込うどんである。初めて食べたときの印象は煮えていないうどんだった(と感じた)。どちらの山本屋のうどんかは思い出せないのだが当時名古屋在住だった弟からの進物であった。パンフレットにある作り方を忠実に作ったのだが・・・なんとも奇妙なうどんでいくら煮ても生煮えのような固さが残るのである。一度茹でてから作った記憶もある。煮ても固いうどんだと知ったのはだいぶ後になってからだった。
東京で味噌煮込うどんが食べられることになったのはでら打ちがオープンしてからだ。日に10食弱の限定品。店主によると開店当初は煮えていないというクレームが多かったらしい。それ以来説明しながら名古屋味噌煮込うどんをアピールする日々だったらしい。
ということで名古屋味噌煮込うどんのイメージができあがったと思う。
固い麺・豆味噌(通称八丁味噌)を使ったつゆ・たまごを落とす・土鍋のふたで食べる・ごはんがつきもの。これが現在私の味噌煮込のイメージだ。


山本屋本店



黒豚入り味噌煮込うどん
栄白川店と名古屋駅太閤口の地下商店街エスカ店が行動エリア的に近く良くお世話になる。山本屋本店は名古屋を中心に11店舗を展開する。味噌煮込うどん専門店である。
「当店ではお食事以外でのご来店はお断りしいたしております。お酒・お口とりのみのご注文は受けかねますのでよろしくお願い致します。」
の張り紙が入り口にある。何たる毅然・自信か。
一度松坂屋の上の蓬莱軒でひつまぶしを食べた後同行した友人がもう食べられないとのことでウーロン茶を所望したときには「次回はよろしくお願いします」と言われたことを思い出す。まあ普通は連食しないから食べられないのが普通なのだが・・・。


山本屋本店味噌煮込うどんの特徴



季節限定地鶏茸味噌煮込うどん
愛知県名産の3年熟成赤味噌(豆味噌)と白味噌のブレンドのあじ味噌を節系の出汁で割って作る味噌煮込の汁。この汁に生のうどんを入れて煮込む。うどん打ちに塩は使わない。
茹でずに煮込むうどんは塩を使うと塩が汁に溶け出す。汁の味が塩辛くなってしまう。また独特のうどんの食感を出すために味噌煮込うどん用のうどんは塩を使わない。
よって弾力やもちもち感が無い小麦粉そのものに近い、粉を感じさせるうどんになる。食べ慣れるとこれが癖になる。また多くの名古屋人にはこれこそが味噌煮込うどんということになる。
私が毎週池袋で食べる名古屋うどんの味噌煮込うどんは名古屋では味噌鍋焼きうどんにジャンル分けされると思われる。
ちなみに山本屋本店ではやわらかいうどんも用意されているらしい。私は食べたことが無い。


味噌煮込うどんの食べ方



味噌煮込うどんのお出まし
基本メニューは味噌煮込うどん 1260円税込 名古屋コーチン入り味噌煮込うどん ご飯付2310円税込など。特選具材入り基本メニューはご飯付で2310円が多い。季節により地鶏茸入り味噌煮込うどんや松茸入り味噌煮込うどんなどが登場する。
ご飯は単品で300円お替り自由。自家製お漬物(白菜・キュウリ・セロリ等)もお替り自由で供される。お酒も頼んで一品気の利いたつまみをつけると4000円程度の食事代になる。なかなか贅沢な食事となる。
複雑な風味を感じさせる味噌味と素材。独特のうどんの味わい、漬物のおいしさ、ご飯のおいしさ、接客の良さなど飲食店としてのグレードは大変高いと思う。
●ふた付で運ばれて来る味噌煮込うどん。生卵を固めたい人は上にうどんを載せておく。



土鍋のふたが皿代わり
●ふたを皿にして小分けして食べる。うどんの汁が飛ばないように静かに盛る。飛んでも大丈夫のようにエプロンも用意されている。
●熱いのでゆっくりと口に運ぶ。私の場合はご飯茶碗の上に一度載せて白飯に味噌の味を移す。
●うどんを完食したらご飯をお替りして鍋の中に投入。しっかりと汁に絡ませて雑炊にする。おだしと共に全部食べつくす。
満足間違いなし。



最後はご飯とまぜて雑炊
確かに高いと感じる部分もあるが、他で味わえない唯一の味ということを考えると時々の贅沢と考えれば許せる金額となる。
もっとも地元の味噌煮込うどんファンの方は地元のお気に入りのお店で食べているようだが・・・

【山本屋本店エスカ店データ】
愛知県名古屋市中村区椿町6-9
新幹線地下街エスカ
電話052-452-1889
営業時間午前10時から21時
無休



お土産専門のエスカ売店
主なメニュー
味噌煮込みうどん  1260円 一半鍋(大盛り)1680円
名古屋コーチン入り(ご飯付) 2310円
特選黒豚入り(ご飯付)  2310円
とろ豚入り (ご飯付)  2310円
豆腐けんちんいり(ご飯付)  2310円
やわらぎけんちん入り(ご飯付)  2310円
松茸いり(季節限定)  2415円
茸と地鶏入り 2415円
松茸とコーチン入り 3360円
松茸・茸・地鶏入り 3570円
ごはん 300円
味噌煮込うどんの通販あり。
山本屋本店WEBサイト
味噌煮込うどんまことやの記事 
みそ煮込の角丸の記事 
山本屋総本家神田和泉町店の記事 
鍋焼きうどんの悦楽の記事 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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