簡単に小麦の特徴をおさらいすると、
【薄力粉】たんぱく質の含有量が少なくお菓子などを作るのに向きます。ふわっと仕上げる用途に向きます。
【強力粉】たんぱく含有量が多くパンや中華麺に向いています。
【中力粉】中間の性質でうどん向きです。適度に粘り、固すぎずやわらかすぎずという感じです。
うどんはこの中力粉に塩水を加えてグルテン生成させることにより美味しくなります。よく捏ねたり、踏んだりして生地を鍛えてなおかつ休ませる、寝かせるという工程を経てうどんとして完成します。蕎麦がすぐに出来上がるのに対して、うどんは食べる時間から逆算して仕込みの時間を計画しないと、すぐには出来上がらないのです。グルテンの生成が少ないといわゆる粉っぽいうどんになります。また切れやすく長いうどんになりません。美味いうどんはグルテンが上手にでんぷんをくるんでいるのです。
おいしいうどんを作るためにはこのグルテンとでんぷんの分布をハランスよく分布させる必要があります。それほど難しいことではなくて丁寧に規則正しく踏んでできあがったグルテンの組織をばらばらにしないことです。なんども踏んで鍛えていくのはゆっくりとグルテンを成長させるためです。寝かす時間が要るのもグルテンの成長を促すためです。丁寧に伸ばしていくのも大事なことだと思います。特別力はいらないのです。
良くある質問に「どこの粉を使っていますか。」というのがあります。
気楽に教えてくれるうどん屋さんも有りますが、美味しい評判のお店だとなかなか企業秘密として教えてくれません。またいろいろな銘柄をブレンドしたりとか、オリジナルの配合を製粉会社に依頼したりとか消費規模によって粉の具体的銘柄はさまざまです。気に入った粉を作っているわけです。
家庭で作る場合は中力粉と書いてある小麦粉を買うとまずは安心です。またどうしても見つからない場合は薄力粉と強力粉をブレンドするという技を教えるところもあります。私としては専用粉の中力粉を入手することをお薦めします。
私がうどんにはまったのも実は手打ちうどん用の粉をたまたま手にとって袋のレシピを見たのがきっかけです。それほど難しそうなことは書いてなくて誰でも簡単に出来そうなことが書かれていました。そして実際出来てしまうのでびっくりしたのです。打ち立て茹でたてのうどんは大変においしいものです。
自分で打ったうどんの美味しさはひとしおですよ。チャレンジしてみましょう。