フレンチ/東京のレストラン

ラシェリール(白金高輪)(3ページ目)

五の橋商店街に煌く光を放つラシェリール。慈しみ深い愛情を意味する店名はその名のとおり、優しくシンプルなフレンチが特徴で、気品ある大人の時間が楽しめます。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス料理
香りが沸き立つようだ

ワイン選びはマダムに任せたい

メインは鴨かウズラなのだが、この日は4人全員ウズラを選択。多分それはドンブ産ウズラにはフォアグラが詰められていたからに他ならない。皆で同じものを食べると美味しさを共有できるから実に楽しい。エシャロットを加えたジュは思いのほかさっぱりとした仕上げで、ウズラとフォアグラの味わいを邪魔しないようにそっと寄り添う。素材の組合せと手はかかっているがシンプルなソース、これがまさに今のフランス料理そのものではないだろうか。

シャンパーニュと白は私が選んだこともあり、赤ワインはマダムの勧められるがままにボルドーを。世界遺産でもあるサンテミリオンはシャトー・ラルマンド1995。13年の年月はメルローを優しく熟成させ、強さと言うよりしなやかなエレガントさが引き立つ秀逸なワイン。鶉やフォアグラの味わいに寄り添い、味覚を面白い位に複雑に湧きたてる。

デザートは小さなプリンとブランマンジェが続いたのだが、食感が同じだったため、いまひとつ印象に残らず。盛り上がる色合い豊かなデザートに期待したい。

チーズ
チーズも食べ頃が12種類
ワインはフランスワインのみバランスよく並べられているが、シャンパーニュはポール・ロジェを楽しみたい。シャンパーニュ地方はエペルネの華やかな空気がポン!と飛び出してくる瞬間、ダイニングはフランスの香りが漂うに違いない。前菜から魚まで、そして今回のような軽めのソースなら肉料理までシャンパーニュ1本でたどり着けるだろう。

私たち4人がたわいもない話で盛り上がる中、マダムはころあいを見てワインを注ぎ、料理やこのレストランを語る。サービスと言う名を売らない、つかず離れずでゆったりとしたもてないしの姿勢が気持ちいい。前回のランチのときもそうだった。マダムは目立つのだけど、目立たない。で、気がついたらそばにいる。頼まれる前に頼もうとしたものが届けられる。

デザート
デザートもアイボリー系
ラシェリールの料理は見せ方や美しい色使いに特徴が感じられるが、軸はシンプルに、無駄のないベーシックなフランス料理だ。食べ疲れたり、食べ飽きることのない王道を行くものかも知れない。

Lacherir(ラシェリール)
東京都港区白金3-14-10
TEL 03-5789-4450
営業時間
Lunch 12:00~13:30(LO)
ランチのコースは2800円と3500円、5500円の3コース
Dinner 18:00~20:30(LO)
ディナーのコースは6800円と9500円の2コースとアラカルト。
別途サ10%
定休日 水曜日
 
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