フレンチ/フレンチ関連情報

柑橘系の爽やかソースに(フードフランス)(3ページ目)

サヴォア地方からやって来たボリス・カンパネラ。ミシュラン一つ星を持つ料理人は柑橘系を見事に使いこなす、味わい深い料理が特徴だ。フードフランス2年目の締め括りに真打ちの登場だ。

嶋 啓祐

執筆者:嶋 啓祐

フレンチガイド

フランス料理
ランチのメインは羊だ。

満腹だけどもたれない料理

シェフはアルプスの麓の温泉町、エクス・レ・バンの出身。ご両親は小さなレストランを営んでおり、自然と料理人を目指すことになったようだ。20歳の時に修行していたジャック・ラムロワーズのことを聞いたら「日本人はラムロワーズが大好きなんだね」と笑いを取られてしまう。トロワグロではシェフの下で実質的に料理を取り仕切るスーシェフを経験し、若干25歳で現在のシャトー・ド・カンディのシェフとなる。

10代から名のある名店で修行を摘み、生き残った者だけが若くしてしかるべきポジションに就くフランスのシステムは日本の時間より5年は早いのではないだろうか。

さて、ランチとディナーのメニューから前菜3品、メイン2品を平らげたところで相当な満腹感に襲われる。フランスではこのあとチーズなどを選ぶ楽しみがあるが今日はとても無理だ。

デザート
これはまた食べてみたいデザートの一つ
しかし別腹とはよく言ったものだ。ディナーメニューから選んだ『クロカンショコラとエキゾチックフルーツ パッションフルーツのソルベ』。ちょっとしたボリュームだが、なんてことはない、口にした途端、上品な甘さの中を泳いでいるかのような気分になる。パッションフルーツとライムのソースにはクミンの香りが漂い、一皿のデザートの中に様々な味覚が隠されている。

さらにマカロン、マシュマロが運ばれるが、これも一つひとつがまさにフランスの味わいだ。特に塩キャラメルのマカロンは記憶に残るものだ。

6皿を完食したが、満腹ではあるものの不思議とお腹がもたれていないのはバターやオイルを余り使っていない料理だからか。

マカロン
サクッとした食感と上品な甘さが忘れられない
ソースにフルーツや柑橘系を多用する彼の料理は特徴が非常にはっきりしている。そして何を食べているかわかる料理だ。シンプルに素材を組み合わせてそこから導き出される味わいの多様性が持ち味なのだろうか。

シェフのボリス・カンパネラは初めて、それも一人で日本にやってきた。片言の日本語はフランスに修行にやってきた日本人が話す言葉を覚えていったそうだ。昨夜は神楽坂でちゃんこ鍋を楽しんだそうだ。帰る前に何を食べたい?と聞くと間髪置かずに「SUSHI」とのこと。それも回転寿司がいいそうだ。

今回のフードフランスは3月18日(火)まで。週末は混みあうが、3月14日(金)はランチ、ディナー共に席にはまだ若干の余裕があるようだ。

東京都渋谷区神宮前5-51-8 ラ・ポルト青山 10階
ブノワの紹介記事
Tel:03-5468-0881

ランチ  8,400円 (税・サ込)
ディナー15,750円 (税・サ込)
(料金には食前酒ならびにコーヒー又は紅茶が含まれます)


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※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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