赤ワイン煮込料理も意外と簡単に
■Les oeufs en meurette.(ポーチドエッグと赤ワインソース)
レゾッフ・オン・ムーレットと読む。フランス語の発音は難しい。冠詞のLesだが次に母音を持つ単語が来ると続けて読むことになる。例えばワインの名前でGrands Echezeaux というワインがあるが、日本語だとグラン・エシェゾーだが、発音上はグランゼシェゾーとなる。
硬くなりすぎないように注意 |
(ウッフ・オン・ムーレットはこのレストランで楽しめます。)
赤ワインを使った煮込み料理は、昔は新鮮でなくなった魚や肉を調理する絶好の調理方法だった。内陸部のブルゴーニュ地方に赤ワイン煮込み料理が多いのは漁港も遠く、新鮮なものが入りづらかったという歴史的、地理的背景があったのかも知れない。
赤ワインで煮込むときにブイヨンを加える |
(刻んだエシャロットとベーコンを加える)
アジュテ レシャロット アシェ エ レス ラルド
アシェは刻んだという意味の単語で、アジュテは加えるという意味だ。
Juste avant de servir , ajouter le reste du beurre(20g).
(盛る直前に残りのバター20gを加える)
ジャストゥ アヴァン ドゥ セルヴィ-ル アジュテ ル レストゥ デュ ブレ
avant de servirという言葉は「食べる前に」という意味。アヴァン・デセールという言葉があるが、これはデザートの前の小さなデザートという意味だ。最後にバターを加えてとろみを出すところがポイント。マディラ酒があれば甘みも加えることができる。
ウッフ・オン・ムーレット |
さて、レッスンは終わり、「作品」が並んだ。ワインはボルドーの熟成しきった軽めのものを用意。そして楽しい試食が始まる。
調理以外の座学レッスンは一時間半位なのだが、とにかく集中しないと何がなんだかわからなくなる。講師である田中先生はゲストである私に容赦なく質問を浴びせてくる。当てられて、これほどドキッとして、そして答えられてほっとしたのは何年ぶりだろうか。
今回は中級者向けの講座で、初級者向けはもっともっとやさしいとのこと。
なんとも五感が刺激された3時間ではあったが、料理に関する簡単な文法や単語を知ることはそう難しくはなさそうだ。しかし何よりも印象的だったのは、そうしたことを教えながら所々でフランスの文化やしきたりなど、かいつまんでわかりやすく話す田中氏の知識の深さ。
料理教室は料理以外に何を得られるかが大切なのかも知れない。