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ラブプラスが彼女を怒らせる構造(3ページ目)

発売と同時に売り切れのお店が続出した恋愛シミュレーションの新作ラブプラス。しかも、ラブプラスをプレイしたばっかりに彼女や奥さんとケンカになるユーザーまでいるそうです。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

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面白いゲームじゃなくて、幸せなゲーム

クリスマスの夜にいそいそとDSを起動して、タッチペンでキスをしてて怒られるとか、容易に想像できてしまいますね。怒られた後に、「だってクリスマスは特別な日だから」なんて言い訳しゃちゃいけませんよ、火に油です。(イラスト 橋本モチチ)ラブプラスは登場する3人の女の子のうちの誰かを好きにならなければ、価値の無いゲームかもしれません。多くの恋愛シミュレーションが多かれ少なかれそういうものであるかもしれませんが、ラブプラスは特に顕著です。

犬の可愛さに興味の無い人がnintendogsをやって楽しいかを想像していただければ、分かりやすいかもしれません。特に、恋人になってしまった後は、目標を失い、いっそう退屈になるでしょう。ラブプラスは攻略するゲームとしてはそれほど面白いものではないんです。逆に、女の子に入れ込めば、恋人になった後こそ、とても幸せなゲームです。毎日毎日、彼女と一緒にすごして、触れ合い、少しずつの変化を楽しむことができるのですから。この、面白いゲームではないけど、幸せなゲームであるというところがポイントです。

さて、もうお気づきだと思いますが、このゲームは構造的にプレイヤーの彼女や奥さんを怒らせます。登場する女の子を好きになって、一緒すごして、幸せになるゲームですから。これが犬なら一緒に可愛がっても貰えるでしょうが、女の子となれば話は別です。ことあるごとにDSを起動して、メールをして、電話をして、タッチペンで触れあい、マイクで声をかけ、あまつさえその顔がにやけでもしていたら、逆鱗に触れてもおかしくはありません。ゲームを攻略しているのならまだ許せても、他の女の子と幸せになっちゃってるんですから、これは怒ります。

かくして、そういう微細な感情の違いを理屈抜きで捉えてピンとくる、勘の鋭い女性を怒らせるケースがいくつか発生しているのではないかと思います。しかし、そんなゲームだからこそ売れるんですね。男性ゲーマー陣の嗅覚も凄まじいものです。みんな幸せになりたいんです。

ちなみに、ガイドがプレイしている間も、ガイドの奥さんが異形の相でこちらを睨む、というようなことが度々ありました。しかし、なんとか喧嘩には至りませんでした。ガイドはラブプラスをプレイしつつも、夫婦喧嘩を回避するためにいくつかの策を講じましたが、1番効いたのは奥さんにもプレイしてもらう、だったような気がします。奥さんはおとなしくてお嬢様の高嶺 愛花さんと恋人になった模様です。なんだかワケが分からないけど女の子とイチャイチャしているよりは、どういうものか分かった方が安心するのかも、しれませんね。

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