ゲームを遊んでいない間にゲームの価値がある
料理を作ってみたくなる、食べた人が喜ぶ、それはすなわち生活を豊かにするという価値の提案をユーザーにしていることになります |
例えば、DSには、しゃべる!お料理ナビ(以下お料理ナビ)というソフトがありますが、これは料理の手順を教えてくれるソフトです。このソフトを使う場面というのは、料理をする時なのですが、このソフトの価値が発揮される場面は、料理をする時ではありません。本当の意味でこのソフトの価値が発揮されるのは、料理を食べる時です。美味しい料理ができてよかったねと、みんなが思った時に、お料理ナビの存在価値は高まるのです。
これは、Wiiスポーツのようなソフトの場合も、似たようなことが言えます。Wiiスポーツは、大人でも子供でも、ゲーマーでもそうでない人でも、みんな一緒に遊べ、しかもとても目新しく、体を動かして盛り上がれるゲームです。それは例えば人を家に招待するきっかけになったり、一緒に遊ぶことで仲良くなることができたり、ただ遊んでいる時間が楽しいということ以上の価値があります。おそらくWiiスポーツを買った多くのユーザーは、誰と遊びたいかイメージして商品を買っているはずです。そこには、誰かと体験を共有して、関係を豊かにするという高い付加価値が存在します。
ゲームがあることで、ゲーム以外の生活がより豊かになる、この価値に大きく反応したのがDSやWiiのコアターゲットではないでしょうか。これからのゲーム業界は、大きな視点で、遊びの先にある価値を提案していく必要があるように感じます。ゲームをしている間が楽しいのはもちろんですが、ゲームがあってよかった、ゲームをしていてよかったと思ってもらえたら、最高ですよね。
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