ゲーム業界ニュース/ゲームとビジネスニュース

ゲームを遊んでいない間が大切かもしれない

DSやWiiは、従来のゲームとは違った売れ方をしています。それは、ゲームに対して今までとは違う価値が求められているからです。DSやWiiのコアターゲットが求めている価値とは何なのでしょうか?

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

WiiやDSは今までと売れ方が違う

Wiiの図
ハードのコンセプトからして、過去には無い異質な商品であるWiiやDSは、売れ方もやはり異質であると言えます
新しい商品を発売する時、多くの場合マーケティングをして、コアターゲットというものを設定します。それは、その商品に一番興味関心を持ってくれる人達、能動的に情報を取得して真っ先に買ってくれるユーザー層はどこにあるのかということです。

まずはそのコアターゲットが商品を知り、そして買い、そこで商品が評価され、その周辺へと広がっていくわけです。ゲーム業界でもそれは同じことで、コアユーザーはゲーム専門誌やWebサイトなどで積極的に情報を得て、最初のお客さんになります。そして、そこからいわゆるライトユーザーへと広がって、大きなマーケットへと成長していきます。

しかし、今もっとも売れているWiiやニンテンドーDS(以下DS)といったハードは、そういったこれまでのスタンダードな売れ方とは、ちょっと違った広がり方をしています。そしてその売れ方をよく観察すると、ゲームのあり方が変わってきているということに気がつきます。

ライトからコアに拡大させた逆転の市場形成

どうぶつの森の図
どうぶつの森がDS爆発ヒットのきっかけを作りました。ニンテンドー64やGCで発売されていた頃には考えられなかったことです
例えばPlaystation2(以下PS2)であれば、最初の1年程でたくさん売れたゲームは、レースゲームのリッジレーサー5、あるいは格闘ゲームの鉄拳TAG TOURNAMENTなどが挙げられます。どちらもコアユーザー向けのゲームであると言えるでしょう。その他には、ウイニングイレブンシリーズなどの定番スポーツものも上位に来ていますね。

では、DSで最初の1年に出たヒットタイトル、というとなんでしょう? おいでよ どうぶつの森(以下どうぶつの森)、脳を鍛える大人のDSトレーニング(以下脳トレ)、nintendogsなど、ライトユーザー向けのものがズラリとならびます。脳トレにいたっては、ライト層どころか、今までゲームに興味をもたなかったような人たちまでをターゲットにしています。

つまり、結果だけをみれば、DSのコアターゲットはライト層や、今までゲームをしなかった人達であったと言うことができます。Wiiではこのことはより顕著になり、発売と同時に任天堂の大看板であるゼルダの伝説を差し置いて、Wiiスポーツが飛ぶように売れていきます。

【関連記事】
マリオギャラクシーがイマイチ売れない理由(AllAboutゲーム業界ニュース)

一方、コアゲーマーでマーケットを形成しているPLAYSTATION3(以下PS3)やXbox360は苦戦をしいられています。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます