ジョギング・マラソン/東京マラソン徹底解説&レポート

東京マラソンを契機に「突然死」の再認識を

松村邦洋さんが東京マラソンで倒れたニュースは、マラソンにつきまとう突然死の危険を思い起こさせました。これから気温が高くなるにつれて危険も増します。しっかり突然死の予防法を認識しましょう。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

人気タレント松村邦洋さん倒れる

松村邦洋さんの事故を伝える『週刊プレイボーイ』
松村邦洋さんの事故を伝える『週刊プレイボーイ』
盛会のうちに終了した東京マラソン2009ですが、ちょっと心配なニュースも伝えられました。それは大会に出場していたタレント松村邦洋さんの心肺停止事件です。

報道や事務所の発表によれば、この日松村さんは東京都が提供する東京MXテレビ番組「Tokyo Boy」企画で参加。14.7km付近で苦しそうにして立ち止まったところ、急性心筋梗塞による心室細動で倒れAEDによる治療などを受けて一命をとりとめたというもの。東京マラソンは第1回大会でも二人がAEDによって救命され、AEDの有用性を証明すると共に、その後の普及に弾みをつけたということがあります。

何はともあれ、松村さんのその後の経過も順調ということで。なによりでしたが、ランナーの突然死はたびたび報道されます。今回の松村さんの事故については、ガイドも『週刊プレイボーイ』誌の取材を受けましたが、ランナーについてまわる危険ですので、掘り下げてご説明します。

マラソン完走実績もあったが……

松村さんの事故は、マラソンにおける突然死に関して多くのファクターを含んでいますので、報道される松村さんの事故に至る状況をおさらいしてみましょう。

松村さんは物まねと肥満がウリの人気タレント。スポーツ好きでもあり、タイガースファンであることはよく知られています。マラソンとの付き合いは、2007年7月ゴールドコーストマラソで初マラソン。制限時間オーバーながら9時間以上かけてゴールにたどりつく。2回目は昨年の東京マラソンで35kmで時間切れ関門不通過。3回目は2008年のゴールドコーストマラソンで見事7時間を切って完走。というもの。

完走実績があるところから、今年こそはの成算もあったでしょうし、9時間以上かけてもゴールを目指すというスポーツ根性も持ち合わせた、愛嬌ある顔に似合わぬガッツの持ち主だとお見受けします(このガッツが仇になったかもしれません)。

肥満度は超々高度肥満

しかし、問題は体重でした。これまでの最高体重はオーバー140kgにもなったとのことですが、最近は124kgほどとのこと。しかし、身長164cmからするとBMIは46以上で、超メタボ体型。標準が18.5~25、肥満が25~30,高度肥満が30以上となっていますが、高度肥満の2ランクぐらい上の超々高度肥満といっていいでしょう。

倒れる直前は相当苦しそうな顔つきだったとのこと。しかし、意識を失って倒れた後、迅速に看護を受け大事に至らなかったわけです。東京マラソンでは、このように幸にして死者は出ていませんが、死者を出した大会はたびたび報道されます。中には、一つの大会で二人の死者が出てしまった大会もありました。

それでもマラソン大会における事故死者の発生確率は、交通事故死の発生確率に比べると断然低いというような意見もありますが、事故は起こさないにこしたことはありません。ランニングブームと、幸にしてAEDの普及により死亡事故の報道がこのところ少ないようではありますが、ランニング時の予防について考えてみましょう。
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