レース当日の食事作戦
東京マラソンスタート地点の食品サービス。パン。コース上での食品補給は22km、27km、32km、38km地点に設けられた。バナナやレーズンも。レーズンは走りながらでは食べにくくないか |
基本的に食事をしてから消化してエネルギーとなるまで数時間を要するといいますが、それは一般的な食事のことを言っています。食品によっては十数分でエネルギー化する食品もあれば数時間かかるものもあります。その人の消化能力によっても異なるでしょう。胃腸が丈夫な人と少食の人ではけっこう異なるようです。
私の場合だと、餅やご飯の場合は食べてからエネルギーになってきたなと感じるまで1時間30分ぐらいかかります。しかし、飴・ゼリー類だと20~30分後には感じることができます。
皆さんも普段から食事の後で食べたものがお腹の中でどのように情況変化しているのか、気持ちを向けてみてください。次第に「今は胃にある」「小腸に移ったようだ」とわかるようになってくるでしょう。
スタート3~4時間前
3~4時間前に普通の食事をします。ここで食べたエネルギーの元は、最初の10~15kmに使うエネルギーだと考えていいでしょう。お餅やご飯、パンで結構です。繊維質が多い食品と脂肪が多い食品は避けます。繊維質は不要に胃腸を刺激しトイレが近くなったりするからです。脂肪分は消化が悪いため。バターほか、マーガリンを塗ったサンドイッチなどは×。マルチビタミン、マルチミネラルをサプリメントや果物で。タンパク質は前ページに述べたように食事から摂取することが難しいので、BCAA(アミノバリューなどのアミノ酸系)で補っておきます。
スタート1時間30分~3時間前
3~4時間前の食事から2時間後ぐらいたつと、少しお腹がこなれてきていると思います。ここで半食分くらい(あんパンや大福などを1~2個ぐらい)を食べます。飲み物にはアミノバリューなどのスポーツ飲料を選びます。ここで食べた分は走り始めて1時間30分後くらい、ということは3~4時間前に食べた食品のご利益が消えてくる頃に効いてきます。その頃から筋肉の疲れを感じ始めるでしょう。筋肉をサポートする食品を摂っておくのです。スタート30分前
スタートまであまり時間はなく、ここで食べてしまうとお腹が張って呼吸が苦しくなったり、消化不良でトイレに駆け込む、なんていうことにもなりかねません。でも、水分だけは摂っておきたいもの。筋肉活動が間もなく開始されますから、アミノ酸摂取を兼ねてアミノバリューなどのアミノ酸系BCAA飲料を飲んでおくと、疲労の始まり方が遅くなります。東京マラソンの場合、新宿西公園に補給テントが並び、パン、バナナ、梅干し、アミノバリューなどの補給サービスが行われます。会場に着いたら、このテントでまずパン+バナナ+梅干し+アミノバリューを摂り、準備を整えてスタートラインに並ぶ前にもう一度アミノバリューを補給しましょう。バナナや梅干しはカリウムが豊富で、筋肉の痙攣防止に役立ちます。