安定性、クッションを重視したソール
黒い部分が堅め |
シューズの摩耗耐久性を上げるために、かかとのアウトソールとフロントの内側からトゥーにかけては、堅めの素材を使用しています。耐摩耗性もあるとのことでトレーニング用としても適しています。
ミッドソールに、ボリュームがありながら軽量でクッション性に優れたアクテバを使用し、軽量化と安定性のアップという、背反する条件をクリアしていることは先に説明した通りです。
アーチは軽くてバネがあるTPU素材で守る |
ソールフロント部のソールパターン。右側が靴の前方になる |
フロント部では、ソールパターンに目がいきます。細かいことなのですが、ソールの山が「|_/|_/」の形をしています。前に向かっては摩擦が少ないが、後方に対しては摩擦が多いパターンになっています。さらにすぐに減ってしまうかも知れませんが、細いスリットも入っています。細いスリットは舗装路をよく捉えますし、逆「|_/|_/」のパターンはクロスカントリーでも威力を発揮するでしょう。
インナーソールも通気を重視
たくさんの貫通孔があるインナーソール |
底面は全面に滑り止めとクッションのためのエンボス加工 |
孔だらけですね。おびただしい着地の衝撃で発生する熱をいかに逃すかは、足の疲労と靴擦れを防止するための大きなテーマです。その中でインナーソールにこれだけ貫通孔を空けたというのは驚きです。これは、5km、10kmという距離ではなく、完全にハーフ~フルマラソンという長距離、長時間走を念頭に置いているのかもしれません。
インナーソールの下側はまんべんなくパターンがエンボス加工されています。クッション性を高め、ソール部との摩擦を増やしてインナーソールのズレを予防しています。このインナーソールは、このカテゴリーのシューズとしてはやや薄目でしょうか。
衝撃吸収と反発はアブソーブで
ほのかに青いのがハイテク素材のアブソーブ |
そんなに力を入れなくてもよく曲がる屈曲性を有す |
ひねりには抵抗を示し、プロネーションをコントロール |
手にして屈曲させてみると、フロント部がかなり曲がります。疲れてきても推し出しやすいでしょう。捻ってみるとフロント部がわずかに柔らかいぐらいで、ヒールからアーチ、フロントの後部にかけてはしっかりとねじれを制御しています。