ジョギング・マラソン/ランニングシューズ、ウェア、グッズ紹介・選び方

ランニングシューズ1「ニューバランス」(2ページ目)

10kmを50分以内で走れるようになった方に適した、レーシング兼用シューズ選び。ニューバランスのRT902は、初めての10kmレースからフルマラソンまでこなす安定性の良いレース、トレーニング兼用モデルです。

谷中 博史

執筆者:谷中 博史

ジョギング・マラソンガイド

安定性、クッションを重視したソール

ソール
黒い部分が堅め
ソール幅の計測値は、27cmのEEサイズで、ヒール部が80mmフロント部が105mmとこのカテゴリーのシューズとしてはわずかに広めですが、このわずかな幅の広さも、着地時の安定性と衝撃分散能のアップに大いに寄与しています。

シューズの摩耗耐久性を上げるために、かかとのアウトソールとフロントの内側からトゥーにかけては、堅めの素材を使用しています。耐摩耗性もあるとのことでトレーニング用としても適しています。

ミッドソールに、ボリュームがありながら軽量でクッション性に優れたアクテバを使用し、軽量化と安定性のアップという、背反する条件をクリアしていることは先に説明した通りです。

TPUスタビリティウェッブ
アーチは軽くてバネがあるTPU素材で守る
ソールフロント部のソールパターン右側が靴の前方
ソールフロント部のソールパターン。右側が靴の前方になる
さらにアーチ部は、アーチクッション、補強、プロネーションによるねじれを戻す機能を果たすTPUスタビリティウェッブというTPU素材で固めています。軽量素材で体積も少ないので、シューズの軽量化にも一役買っています。

フロント部では、ソールパターンに目がいきます。細かいことなのですが、ソールの山が「|_/|_/」の形をしています。前に向かっては摩擦が少ないが、後方に対しては摩擦が多いパターンになっています。さらにすぐに減ってしまうかも知れませんが、細いスリットも入っています。細いスリットは舗装路をよく捉えますし、逆「|_/|_/」のパターンはクロスカントリーでも威力を発揮するでしょう。


インナーソールも通気を重視

孔だらけのインナーソール
たくさんの貫通孔があるインナーソール
底面は全面エンボス加工
底面は全面に滑り止めとクッションのためのエンボス加工
次にインナーソールを取り出してみます。

孔だらけですね。おびただしい着地の衝撃で発生する熱をいかに逃すかは、足の疲労と靴擦れを防止するための大きなテーマです。その中でインナーソールにこれだけ貫通孔を空けたというのは驚きです。これは、5km、10kmという距離ではなく、完全にハーフ~フルマラソンという長距離、長時間走を念頭に置いているのかもしれません。

インナーソールの下側はまんべんなくパターンがエンボス加工されています。クッション性を高め、ソール部との摩擦を増やしてインナーソールのズレを予防しています。このインナーソールは、このカテゴリーのシューズとしてはやや薄目でしょうか。


衝撃吸収と反発はアブソーブで

ほのかに青いのがハイテク素材のアブソーブ
ほのかに青いのがハイテク素材のアブソーブ
屈曲性も良い
そんなに力を入れなくてもよく曲がる屈曲性を有す
ひねりには強い
ひねりには抵抗を示し、プロネーションをコントロール
インナーソールを取り出したシューズの中を覗くと、ヒール部に青っぽい素材が、フロント部にはオレンジ色っぽい素材がミッドソールの中にセットされているのがわかります。これは衝撃吸収と反発弾性に優れたハイテク素材のアブソーブ。着地時に受けるショックを反発力に変えてくれる、ランナーにとってはたいへんありがたい素材です。ヒール部とフロント部に着いているので、ヒール着地とフラット着地のどちらにも対応できるでしょう。

手にして屈曲させてみると、フロント部がかなり曲がります。疲れてきても推し出しやすいでしょう。捻ってみるとフロント部がわずかに柔らかいぐらいで、ヒールからアーチ、フロントの後部にかけてはしっかりとねじれを制御しています。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます