時間を効率的に使うトレーニングの工夫
わずかな時間でも積み重ねれば着実に体は変わる |
フルマラソンをとりあえず5時間以内で歩かず完走するレベルが目標なら、最低月間150km程度の走行を継続し、多少とも走り続けられる体質への転換をはかりたいところです。150kmは1日5km、走る前後のストレッチングに要する時間を加えても40~50分で済むはずですが、その時間もとれないという方には通勤ランをおすすめします。
ちょうど今の季節は、防寒やコート類が不用で、身軽に通勤でき、走るにしても薄着で走れるという、通勤ランには便利な季節です。日も長くなって、早朝でも明るく、交通の安全度も増します。通勤ランで走行距離を伸ばしてランナー的体質改善を果たしておけば、通勤ランが不便な季節になってもしばらくはその体質を保つことができるので、練習不足になってもいわば「貯金」でフルマラソンに臨むことができます。通勤ランは、フルマラソンの完走を目標にされる方だけでなく、飛躍的なランクアップを目指すサブスリー狙いのランナーにもおすすめです。時間を効率的に使える通勤ランで目標にグンと近づきましょう。
通勤ランはこんなプランで
■電車・バス通勤の方の一例月曜/出社時は、スーツ姿で、ランニングウエアやシューズはデイパックに詰めて出社。帰宅時は、スーツは会社に置き、デイパックにその他のものを詰め、ランニングスタイルで通勤ラン帰宅。途中電車に乗るなら、薄手のウインドブレーカーやジャージ姿で電車に乗車。火曜/仕事着にウインドブレーカーで出社。デイパックに帰宅用ランニングウエアセットを持つ。
…こんな感じで通勤ランします。
■自家用車通勤(通勤距離が長い場合)の方の一例
出社時は、ランニングスタイルで車を運転、1時間程度早く出社。仕事着は車で運ぶ。始業前に会社の周辺を走ってトレーニング。汗を拭いた後着替えて始業を迎える。
■自家用車通勤(通勤距離が10km以内)の方の一例
自動車を止めて自転車にする。1日おきに自動車を止めて通勤ラン代える。月曜/自家用車で出社。翌日の仕事着とランニングウエアのセットを運んでおく。火曜/ランニングで出社、帰宅時も運んでおいたランニングウエアで通勤ラン。
以上を繰り返す。
■自転車通勤の方の一例
月曜/自転車で出社。帰宅時は通勤ラン。自転車は会社に留め置き。火曜/出社時に通勤ラン。自転車で帰宅
以上を繰り返す。
通勤ランの便利・安全アイテム
背負っても腕が振りやすいザックを選ぶ |
帰宅ランをするなら、LEDのヘッドランプは必携 |
「ナイロンスコッチライト」の製品名で販売されているリフレクターテープ |
光が当たるとぴっかり光ってくれる |
また、通勤ランに設定しなければならないコースは、必ずしもランニングに適したコースばかりではないと思います。足下も不確かなところを走るには、がっちりと足をガードしてくれるトレーニング用のシューズがおすすめです。安定感がよいことはもちろんですが、加えてかかと部などに反射素材が用いられて夜の視認性を高いものが通勤ランにおすすめしたい製品です。
■デイパック
着替えや身の回りの持ち物なども入れなければならないので、トレイルラン用として販売されているものよりやや大きめが便利。ザックへは、汗で濡れないように、ポリ袋などでパッキングしてから入れます。写真のザックは、背中がメッシュで汗がべとつかず、また体へのフィット感も良く長いトレイルランにも愛用しているお気に入りの製品です。サイズは12リットルくらいかなと思います。スポーツショップだけでなく、ザックの種類が豊富な登山用品店も探してみるとよいでしょう。
■LEDヘッドライト
暗い夜道を走るならヘッドライトもおすすめします。LEDを使用したよい製品が出回っています。LEDは電池の持ちが良く低電力で済むこと、球切れの心配が少ないこと、軽量と三拍子揃ったライトです。右は4灯、左は8灯(スイッチで2灯、4灯でも使える)です。危険を避けるには、とにかくコチラがピカピカ光っていることです。
■ナイロンスコッチライト(反射テープ)
ザックやウエアにピンで止めて使います。ベルクロ付きなので、引っかけるところがあればピンも不要です。腕に巻いて走ることもできます。夜のサイクリングなどでは足首に巻いて使ったりします。
■赤色点滅灯
自転車などに付けているのをご覧になった方もいると思いますが、LEDランプを赤色のアクリルケース入りにし、点滅させるものです。赤色がピカピカと点滅します。デイパックの背面やショルダーベルトなどに取り付けて使うと効果的です。
仕事の前後など、リラックスして音楽などを聴きながら走りたいところかも知れませんが、通勤ランでは安全のため周囲の音に耳を傾けて、まず安全を心がけてください。