筋トレは柔らかい筋肉を作ってから
従来の常識を覆すエクササイズマシン。新田さんが試行錯誤のうえ、作りあげた |
瞬発力、キレ、パワーを備えて故障もしない、そのためには鋼や鋳物のような筋肉ではなく、しなやかで弾力性に富んだ筋力が必要、さらにマラソン選手や体重性スポーツ選手の場合は筋肉量を増やさない方法が理想です。この考え方でパフォーマンスを挙げたマラソン選手には、新田さんの大学の後輩にあたる中国電力の佐藤敦史選手がいるそうです。
確かに、私も時々ジムでトレーニングしますが、筋肉に負荷を与えるマシンがほとんどで、可動域を広げる手助けをしてくれるマシンがほとんどないことは、体が人並み以上に固い私としては常々不満でした。ジムにこういうマシンも備えられているとうれしいですね。体の可動域が広がればケガや故障も減ります。
マシンなしでもリラクサイズで柔軟さを
「マシンがない方も工夫によって同じような効果を上げるリラクサイズができます。腕立て伏せでは腕をちょっと高い台(例えば電話帳)において体を沈み込むようにするとか、開脚の前屈ではひもを引っ張って体を前屈させるとか。小刻みに体を揺らせて可動域を広げるようにします。風呂上がりに10分くらいはやるといいですよ」と語る新田さんに担当編集者も納得。さて、「速効でマラソンに効くリラクサイズはありませんかねぇ……」とこの上まだ手抜きでパフォーマンスをあげようというさもしい根性の二人。しかし、そこは優しい新田さんでした。
即席!腰高フォームトレーニング
まず仰向けに寝、脚を揃えて真っ直ぐに上に伸ばします。すなわち体は90度の直角状態 |
反動をつけずに脚を真っ直ぐのまま上に伸ばす。すなわちお尻が浮き上がったらOK |
なんの不満がありましょうか。腰高フォーム、市民ランナーあこがれのフォームですよ。私もいろいろ工夫はしておりますが、それが簡単に実現できるなんて。
まず仰向けに寝、脚を揃えて真っ直ぐに上に伸ばします。すなわち体は90度の直角状態。ここから反動をつけずに脚を真っ直ぐのまま上に伸ばします。すなわちお尻が浮き上がるわけです。これってかなり腹筋がついていないと無理そう。
「いや、上がらなくても、そのように意識して力を入れてもらえれば結構です。腹圧も上がって呼吸も楽になります」
10回ほどやって立ち上がってみると、なにやら身長が伸びたような気が。骨盤の角度が立つとのことなので、実際に身長も伸びるはずです。腰が前に引っ張られ腰高のフォームに変わるでしょう。このトレーニングは、新田さんが故障中にふとした弾みで発見した方法とか。「クライム」と名付けたそうです。
腹筋が弱い私としてはつい反動をつけてしまうのに、担当編集者はうめき声にも似た奇声を発しながらも結構できました。これでどうしてマラソンが遅いのか! いやいずれ私も抜かれるときがやってくるでありましょう。その成果は東京マラソンで明らかになるのです。
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