本人のやる気が記録を伸ばす
最後まで頑張る集中力の持続も、本人のやる気次第。やる気を育てるのは親の役目 |
本人がそのレースに集中し、ライバルに絶対負けないぞと思って走るのと、ただ一生懸命走るのとでは大きくレース結果の差になって表れます。特に園児などの場合、スタート時のホイッスルの音に気を取られるだけでなく、ママはどこにいるんだろうと気になったり、極端な場合、自分がこれからやることが「競」走であることを理解していない、という子がいます。走り出してもゴールに真っ直ぐに向かっていません。右に左にふらついた走りをしています。
やはりこういう子の場合は、これは競走なのだ、他の子(それが仲良しの友達であっても)より先に出て最初にゴールするゲームであることを理解させなければなりません。そこで、練習試合をたくさんしてレースに慣れさせましょう。その練習相手は、ママやパパやおじいちゃんとだったり、兄弟や友達で結構ですが、走る場所はなるべく大会会場に近いイメージの場所が有効です。
大人同様こどもにも動機付けが必要
本人のやる気を引き出すには、インセンティブを用意することも効果があると思います。ご褒美で釣ることに、反対する方もおられるかもしれませんが、戦国時代も会社の仕事でもインセンティブのあるとなしでは、全然力の入れようが違うのですから仕方がありません。ご褒美がなければなにも行動しなくなるとは思えませんし(インセンティブには、人に尽くすことによって得られる快感というよなものだってあるのですから)、ご褒美に釣られて努力するうちに能力が得られることも多いでしょう。要は与え方、何を与えるかだと思います。記録というインセンティブもある
本人の気合いが入ると、俄然走りも違ってくる |
例えば、写真のモデル役を務めていただいた翔一君(小学3年生)ですが、2本目のタイムが、ほんのわずか1本目より悪かったんです。私から見ると、走りは悪くなかったのですが、スタートがわずかに遅れていました。しかし、本人はいい走りをしたはずなのに、おかしいと納得できず、「もう1回やる」とチャレンジ宣言です。1回目と2回目は間をおきましたが、3回目は2回目のすぐ後だったので、疲労が出やしないかと心配でした。もし意気込んでやったにも関わらず、さらに記録が悪くなれば本人はやる気をなくしてしまう恐れもあります。しかし、子どもの疲労回復は早かったようで、見事大幅に記録を更新しました。言われてやるのではなく、自ら挑戦する気合いがあるのとないのとでは、まったく結果が違ってくるのです。
ですから、練習の時もただ、決めた回数を走るというのではなく、1回、1回を集中して本番さながらに走るように練習してください。進歩が全然違います。集中力を高める練習にもなります。