番外編　我が子を運動会で一番にする方法

目標を達成する「工夫」と「努力」が貴重

運動会は、工夫と努力を記録の面でも、競争の面でも錬磨できる絶好の機会だ

運動会のシーズンが近づいています。読者の皆さまの中にもお子さんをお持ちの方がいると思います。

走るのが遅い子のために競走種目は順位をなくして、全員入賞なんていう方針の園校もあるようですが、私は反対です。遅ければ工夫し、努力をする余地があります。困難を乗り越える工夫、努力が人を育てるのではないかと思うからです。その工夫、努力は子どもにだけ押しつけるのではなく、家族も教師も時にはクラス全員でする、それが教育（教え育む）だと思います。

最初から困難をなくして、道を平坦にしてしまうのは、教育者の怠慢です。それに全員入賞としたところで、やはり最初にゴールするのは一人です。それは社会のルールですから仕方ありません。スポーツは社会のルールを身につけることもできる貴重なステージであることをまず前提と理解していただき、運動会で一番！に挑戦してください。一番は表彰されなくても気持ちがいい、印象深いものです。もし一番になれなくても、物事に工夫しチャレンジする貴重な体験を得ることでしょう。

子どもには速く走らなければならない動機がない

この記事をご覧になっていただいているお父さん、お母さんがもしランナーだったら、お子さんにも駆けっこが好きになってもらえたらいいなとお思いでしょう。しかし、健康もダイエットも心配のない子どもには、速く走らなければならない動機がありません。おまけに運動会の競走種目はたいてい短距離走ですから、ジョギングペースの親と一緒に走っていても速くなりません。といって親の走る長い距離はとてもついていけません。お子さんを運動会で大活躍させるには、大人の駆けっことは異なる工夫も必要になるのです。

あなたのお子さんはお幾つでしょうか？　ひとくちに駆け足といっても、体の発育途中にある児童のことですから、未就学児のそれと小学校低学年、中学年、高学年のそれでは、異なるポイントもあります。しかし、共通する基本的な押さえどころもあります。そのへんを整理しながら説明しましょう。ここに書いたことを一つ一つチェックし、練習すべきことは何度も練習してください。