そもそも、スポーツマンとは
「George Low Wizard600 Sportsman(ジョージ・ロー ウィザード600 スポーツマン)」は、パターの名手として知られたプロゴルファー、ジョージ・ローからパッティングのアドバイスを受けたジャック・ニクラウスが、そのパッティングメソッドを実践するために使用されました。当時のパターとしては重みが有りヘッドが利いていますが、これはジョージ・ローのアドバイスによるもの。現在のパターがそのころに比べ2倍近い重量となり、よりヘッドが利くようになっていることを考えれば、ジョージ・ローの先見性には驚かされます(※クラブを構えたときにヘッドの重みを感じることを「ヘッドが利く」と表現します)。
1977年にニクラウスが来日した際、戸塚カントリークラブで愛器であるスポーツマンが盗難にあうという事件が発生。アルバイト学生の自首により、無事にパターが手元に戻ったニクラウスは、寛大な処置を願うとコメントして帰国したといいます。
有名な80年の全米オープン、バルタスロールでの青木功との死闘で用いられたのも「スポーツマン」です。
「スポーツマン」は、「Wilson 8802」や「PING ANSER SCOTTSDALE」と比べても極端に製造本数が少なかったらしく、このパターを有名にした張本人であるニクラウスでさえスペアを所有しておらず、現在でも世界で数本しか現存しないとまで言われています。
このように半ば伝説めいたエピソードが多数存在するのもゴルフ史に残る「スポーツマン」の価値をあらわしています。コンピュータ制御された削り出しパター全盛の今日、もはやこのようなゴルフ史に残る名器パターは2度と現れないでしょう。
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