地方料理
広いメキシコでは、地方によって料理にも特徴があります。地方料理でもメキシコ全土で食べられるものが多いのですが、素材の新鮮さが重要なので、現地で食べれば、なお美味しい! せっかくだから、旅先でご当地グルメを味わってみては?地方料理 中央部
メキシコ国旗の緑、白、赤を表したチレス・エン・ノガダ
豪快な肉料理の代表といえば、イダルゴ州発祥の羊一頭をマゲイ(竜舌蘭の一種)の葉で蒸したバルバコア(Barbacoa)も国民的料理のひとつ。
一方、宮廷料理から発展したメキシコ料理の発祥地、プエブラ州はグルメ好きなら避けては通れない場所。チレス・エン・ノガダ(Chiles en nogada)という、チレ・ポブラーノのなかにひき肉やドライフルーツを詰め、ざくろの実をちりばめたアーモンドソースをかけた一皿や、モーレもぜひ試したいもの。
メキシコ湾沿いの地方料理
メキシコ湾沿い、ベラクルス州の港町ではシーフードが人気。エビやタコをトマトチリソースにひたしたカクテル(Cocktail)と呼ばれるオードブルや、白身魚や貝をたっぷりのレモン汁や香草と和えたマリネ=セビチェ(Ceviche)は、新鮮な海の幸が手に入るベラクルスで、ぜひ味わいたい料理です。鯛の一種ウアチナンゴ(Guachinango)料理も名物。にんにくやチレ風味、ムニエルなど色々な調理法がありますが、ベラクルスならではのオリーブ入りトマトソースで煮込んだものがおすすめ。南部の地方料理
メキシコのなかでも熱帯系の南部では、暑さに負けないくらいパンチが強い味の料理が多いです。なかでも有名なのが、豚肉をアチョテ(ベニノキの色素)やチレや酢の入った漬け汁に絡め、バナナの葉で蒸し焼きにしたユカタン地方の料理、コチニータ・ピビル(Cochinita pibil)。ユカタン地方の特産である激辛のチレ、ハバネロを使うのも特徴で、ハバネロと紫タマネギをオレンジの汁で和えたマリネの付け合わせがよく登場します。もうひとつの名物、ソパ・デ・リマ(Sopa de lima)はレモン汁たっぷりのチキンスープにご飯が入った雑炊風。この地方の料理のなかでは、あっさりしているので、胃もたれした時におすすめ。北部の地方料理
北部でも太平洋側にあるバハ・カリフォルニア州、南バハ・カリフォルニア州やシナロア州では、魚介類のタコスが一般的。なかでもプリプリのエビをキャベツの千切りとマヨネーズ系サルサでいただくタコス・デ・カマロン(Tacos de camaron)が絶品! この地方の人々も南部に負けずに激辛ハバネロ入りのサルサを好んで使います。シーフードとピリ辛味って、よく合うんですよね。ついついビールがすすみます。北部でもコアウイラ州やヌエボレオン州ではカブリート(Cabrito)と呼ばれる子ヤギの肉料理が名物で、さらに牛肉も特産品。干し肉や、ステーキが美味しいと評判です。また北部では小麦粉のトルティージャがよく食べられています。アメリカに近い分、その影響を受けたブリトーなどの料理があるのも特徴。