メキシコで必ず食べたい5つの定番料理
パストールを焼く職人。肉をこそぎ落とすのも熟練の技が必要なのです
日本ではまず食べられない独特な料理は、メキシコに来たらぜひ試してほしいもの。数ある料理のなかでも、おすすめを選びました。
定番1 タコス・アル・パストール/Tacos al pastor
香ばしさが食欲をそそるタコス・アル・パストール
豚肉のかたまりをケバブのように回転させながらバーナーで焼き、その肉をそぎ落としたものを具にするタコス・アル・パストール。調理時に、パイナップルも焼くので、その甘みが肉に染み込んで、絶妙な美味しさ。外側はパリッ、中はジューシーな肉に香草、タマネギのみじん切り、サルサをかけて、レモンをギュッと絞っていただくのは格別。
定番2 タコス・デ・カルニータス/Tacos de carnitas
蒸した肉がやわらかで、食べやすいカルニータス
元はミチョアカン地方の名物料理ですが、メキシコ全土で食べられているタコスの代表格。ラードで揚げた豚肉を蒸したもので、肉もとても柔らかく旨味がたっぷり。
こんな感じでドーンと肉が並ぶ。タコスにする好みの部位を指定することができる
正肉や皮の部分、足など部位によって異なる味わいが楽しめ、トルティージャがすすみます。サルサをたっぷりかけて、いただきます。
定番3 モーレ/Mole
チキンにモーレ・ポブラーノ(プエブラ式)をかけたもの。苦甘スパイシーなソースがクセになる
モーレ(またはモレ)と呼ばれるソースは、数種類のチレ、ナッツ、油脂、ハーブ、スパイス、とろみづけのための粉もの(マサや、パン、クラッカーなど)を組み合わせていて、主に肉料理で使われます。モーレにもさまざまな種類がありますが、よく知られるのは、チョコレートを入れたもの。その意外な組み合わせに驚かれるかもしれませんが、食べてみるとチョコレートのほろ苦さとほんのりとした甘さ、そして後からくるチレのピリッとした辛さが、やみつきに。プエブラ州のモーレ・ポブラーノやオアハカ州のモーレ・ネグロがとくに有名ですが、メキシコの多くの地域で食べられる家庭料理の代表格。作られる場所や各家庭によってブレンドが異なります。高級レストランで食べる上品なモーレもいいですが、より家庭の味に近い、市場の食堂や定食屋で食べるモーレがおすすめ。
定番4 ポソレ/Pozole
白いスープのポソレ。あっさりとコクのある味
豚の頭(または鶏がら)からじっくりとったスープに、大きなマイスの粒がたっぷり。ラディッシュ、レタスを添えてレモンを絞り、オレガノやサルサをかけ、サワークリームを塗ったトスターダスとともにいただきます。さっぱりとしながらも、豚骨ラーメンを思い出すコクのある味。ポソレのスープにも3種類あり、ハリスコ州、シナロア州発祥のポソレは、チレベースの赤色(Rojo=ロホ)のもので、ゲレロ州発祥のポソレは白色(Blanco=ブランコ)かグリーン・トマトの緑色(Verde=ベルデ)のものが基本。毎年9月16日の独立記念日には欠かせない料理です。
定番5 チレレジェーノ/Chile relleno
大きいけどペロリと食べれてしまうチレレジェーノ
辛味のほとんどないピーマンのような大きめのチレ、ポブラーノの中に、チーズまたはひき肉を詰めて、卵と小麦粉の衣で揚げたもの。トマトかクリーム系のソースをかけますが、美味しさを引き立てるのではトマトソースがおすすめ。柔らかくなったチーズとフワッと卵の衣に包まれたチレの食感がベストマッチ。辛い料理が苦手な人も、安心して食べられます。メキシコ家庭料理の代表であり、食堂の定番メニューでもあります。