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「燃え尽きるまで」妻を夫を愛せますか?(4ページ目)

また一つラヴ・ストーリーの名作が誕生しました。レオ&ケイト主演の『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』です。今回は、結婚と本作の総力特集をお届けします。

執筆者:中野 豊

レヴュー

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』
2009年1月24日より丸の内ピカデリー1ほか全国にて公開
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
まずは本作の海外メディアの声をいくつか拾ってみます。

・みずみずしい感性と非の打ち所のない完璧さを備えた傑作---Newsweek

・知的な演出、見事な演技、壮麗な映像美でアメリカの傑作小説に息を吹き込んだ、非常に素晴らしい映画である---Variety

・ウィンスレットとディカプリオの演技はエモーショナルで壊れやすい「結婚生活」を見事に表現し、観る者を魅了する---Screen Daily.com

随分と褒め称えられていますが、それほど素晴らしいラヴ・ストーリーと言ってしまいましょう。50年代の高度成長期のアメリカ郊外に美しい家に二人の子供と暮す夫婦。一見誰もがあこがれる理想の夫婦ですが、心の奥には野望や夢があるのです。その野望・夢には夫婦間に少なからずズレがあります。どこの家庭にもきっとあるそのズレがこの物語を皮肉な展開へもってゆくのです。心根のすれ違いから広がる亀裂……。妻が夫にみせる冷めた感情には身震いさえさせられます。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
そして、本作はホットなウットリ系ではありません。言葉では相手に伝わらない本音・人間心理をつき、真実の愛を知った者だけが体験する複雑な苦悩もみせます。

劇中、夫は浮気の話を妻にしますが、妻はまったく動じません。しかし、妻もまた浮気をしますが、夫には話しません。妻は言います「あなたはそれを私に告白して何の意味があるの?」と。二人の目指す夢・人生設計のズレがじわじわ二人に溝をつくり、その結果として衝撃的なラストへ突き進むのです。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
本作をご覧になり、自由とは夢とは、夫婦が同じ視線・価値観を持たないと取り返しのつかない未来が待っていることもあるとわかるでしょう。ディカプリオが優柔不断な夫を演じているのもどこかリアルで、女性の性(さが)が溢れ出る夫婦関係を描いたとてつもなくキツい現実を見せ付ける、10年に一度の切ないラヴ・ストーリーです!ぜひ、映画館でご覧ください。


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