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『君の名は。』みたいな映画は?きっとハマる10の作品

社会現象と呼べる大ヒットを記録しているアニメ映画『君の名は。』はもうご覧になりましたか? ここでは、『君の名は。』に似ている、または連想する10の作品をご紹介します。

ヒナタカ

執筆者:ヒナタカ

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大ヒット映画『君の名は。』から連想される10の作品

『君の名は。』メインビジュアル

全国映画動員ランキングで3週連続1位を獲得し、空前の大ヒットを記録している映画『君の名は。』 (C)2016「君の名は。」製作委員会

社会現象と呼べる大ヒットを記録しているアニメ映画『君の名は。』はもうご覧になりましたか? 新海誠監督の過去作に比べ圧倒的にエンターテインメント寄りになった本作は、スピーディーな構成、エモーショナルな音楽、表情豊かで魅力的なキャラクター、心を揺すぶられる“まさか”の展開の数々、何度観ても新しい発見ができる奥深さがあるなど、その完成度は並々ならぬものがありました。リピーターも多く、興行面、作品評価ともに、日本映画に新たな記録を打ち立てることでしょう。

また、観ているうちに様々な作品を連想させるのもこの作品の魅力のひとつ。その革新的な作風が多くの若い世代を魅了している一方で、じつは往年の名作にもそっくりなところがあるのです。

ここでは、『君の名は。』を観た人におすすめの、似ている、または連想する10の作品をご紹介します。なお、以下に紹介する3つめの作品からは、『君の名は。』本編のネタバレに触れるのでご注意ください!

 

1.『転校生』

言わずと知れた、大林宣彦監督による“入れ替わり物語”の映画です。入れ替わるのが思春期の男女であること、男女のギャップに悩むという要素があること、“階段”が重要なモチーフとして登場することが『君の名は。』と共通していました。

『君の名は。』のヒロインが坂道だらけの場所に住んでいること、風景の描写を大切にしていることは、『転校生』だけでなく、『時をかける少女』、『さびしんぼう』という大林監督の“尾道三部作”をも思わせました。
ヒロインの住んでいる糸守町には坂道が多い

ヒロインの住んでいる糸守町には坂道が多い (C)2016「君の名は。」製作委員会

ちなみに、小説版の『君の名は。』では、通学路を歩くシーンが“まるで日本映画のオープニングのようだ”と表現されていました。新海誠監督が、こうした日本映画にリスペクトを捧げていることは間違いないでしょう。

後半で予想もしない出来事が起こるという意味では、1982年の『転校生』よりも、2007年リメイク版の『転校生-さよならあなた-』のほうが、『君の名は。』に似ているかもしれませんね。

 

2.『クロスロード』


これは120秒ほどの、通信教育“Z会”のCMであり『君の名は。』の新海誠監督が脚本、絵コンテ、演出も手がけた作品。新海監督自身も『君の名は。』の原型となったと語っています。

離れた場所にいる少年少女が、ある出来事をきっかけにして偶然知り合う“運命”の描き方は『君の名は。』とかなり似ています。キャラクターがコミカルなリアクションを取るのも、この作品からのようです。

なお、『君の名は。』はいままでの新海誠作品のすべての要素が入っていると言っても過言ではありません。“男女の心の距離”というテーマが引き継がれていますし、『ほしのこえ』、『秒速5センチメートル』、『言の葉の庭』の3作では、特に『君の名は。』との共通点を感じられるでしょう。


↓↓※この先は『君の名は。』のネタバレも含みます。↓↓

 

3.『オーロラの彼方へ』

30年の時を超えて、息子と、死んでしまったその父親がアマチュア無線機で会話できるようになるというSF映画です。『君の名は。』とは、過去に死んでしまった人のために運命を変えようとするプロットはもちろん、変電所の爆破シーンにも似たものを感じました。

サスペンスとして非常に優れている作品ですが、息子が30年前の父親に「Yahoo!の株をいまのうちに買って!」と頼むなどの笑えるシーンもあります。感動作と思って観ると、意外と“骨太”な作風に唸らされますよ。

 

4.『ラビット・ホール』

一人息子を交通事故で失ってしまった夫婦の物語です。加害者の高校生が描いたコミックを通じて、「『不思議の国のアリス』のうさぎが通った穴(ラビット・ホール)の先に、息子が生きていた世界が存在していたらいいのに」という“願望”が描かれていました。

本作はSFではなく、極めて現実的な話です。『君の名は。』のように過去を変えたりはできません。しかし、残酷な世界であっても、どこかに“違う未来がある”という希望に満ちており、『君の名は。』に似た尊いメッセージがありました。大切な人を失ったことがある、すべての人におすすめします。

 

5.『恋はデジャ・ブ』

同じ1日を、何度も何度も繰り返してしまう男を描いた作品です。次の日が来ないということは、人生において“積み重ねる”ことができないことイコール。コミカルのようで、実はかなり“重い”作品でもあるのです。

最終的に、1日のループから抜け出せなくなった主人公が選んだ行動は、とてつもなく尊く、『君の名は。』と似た“美しさ”に満ちていました。安っぽい邦題を気にせず、ぜひ一度は観てほしい傑作です。

 

6.『涼宮ハルヒの消失』

有名なライトノベルのアニメ化作品、その劇場版です。物語は、主人公の少年が突如として、ヒロインのいない世界に移動してしまうというもの。愛おしい少女を探すために奔走する少年の姿は、『君の名は。』の主人公に重なりました。

また、原作の物語をぎっちりと詰め込んだため、その上映時間はアニメ映画としては破格の2時間42分となっています。この長い時間も、存分に意味があると思わせる秀作でした。

 

7.『時をかける少女』(2006年のアニメ版)

ドラマやリメイク版などのさまざまなバージョンがある『時をかける少女』ですが、『君の名は。』との共通点がもっとも多いのはこのアニメ版です。ヒロインはカラオケで何時間も歌うなど、はじめはくだらないことのために“タイムリープ”の能力を使うのですが、やがて大切な人のために行動していくようになります。その過程と心変わりは、感動を呼ぶでしょう。

なお、『時をかける少女』の細田守監督は、そのほとんどの作品で“成長”の象徴として入道雲を登場させています。『君の名は。』でも、オープニングやラストシーンで入道雲が見えましたね。

 

8.『バタフライ・エフェクト』

主人公の青年が、大切な人を救うため、何度も何度も時間移動を繰り返すという物語です。残酷なのは、過去で何かを変えると、どこかでその変えた事実が、別の“不幸”として出現してしまうこと。バタフライ・エフェクトとは、蝶のはばたきによりどこかで竜巻が起こっているかもしれないという、予測できない現象を表したタイトルなのです。 

終盤の展開は、特に『君の名は。』と似ていると感じられるのではないでしょうか。DVDに収録されている“もうひとつのエンディング”も合わせて観ることをおすすめします。

 

9.『インターステラー』

地球を離れ、新たに人間が住める星を探していくというSF映画です。『君の名は。』と同じく“時間”と“コミュニケーション”が重要なファクターとなっている作品であり、時間移動ができる4次元を超えた“5次元”の世界が描かれていたりもしました。

『君の名は。』のオープニングで流れる楽曲「夢灯篭」においても「5次元」という言葉が登場します。これは、5次元のような人知を超えた世界においても、必ず君を探し出す、という主人公の強い想いを表しているようでした。

 

10.『蝶々結び』 


 
RADWIMPS(ラッドウィンプス)の野田洋次郎さんが楽曲提供およびプロデュースを手がけた、気鋭の女性歌手Aimer(エメ)による楽曲です。

その歌の歌詞に表れているのは、『君の名は。』でも重要なモチーフとして登場した“紐”、それによる強固な“結びつき”です。この世界で、無数にある可能性の中から、運命の人と出会ったことを訴えるのは、まさに『君の名は。』の物語そのものでした。ヒロインの三葉が、いつも紐を蝶々結びにして髪に付けていたことともリンクしていますね。

しかも、楽曲の終盤では、男性コーラスが入ってきて、男女の両方がその結びつきの喜びを歌っています。まるで、『君の名は。』の瀧くんと三葉が、やっと出会ったかのように……。

言うまでもないことですが、RADWIMPSは『君の名は。』の劇中の楽曲すべてを手がけています。そのボーカル曲の歌詞もまた、作品のシーンにこれ以上なくマッチしています。映画のサウンドトラックを聞くと、きっと映画がまた観たくなるでしょう。
  そして「蝶々結び」を聞いても、『君の名は。』で訴えられていたことの素晴らしさを再確認できるはずです。ぜひ一度、聞いてみてください。
 

映画『君の名は。』公式サイト

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