ジャンル別の名作映画セレクト10のラヴストーリー(恋愛映画)は、アメリカ映画編、ヨーロッパ映画編に続いて、日本・アジア(中国語圏3作)映画からお届けします。

セレクトの序列は、製作年度の新しい作品から紹介します。本ページの20世紀終盤に製作された3作品共に中国語圏映画となりました。最近の邦画の恋愛映画は、コミカルなアプローチやファンタジー路線の作品が多く、純朴なラヴストーリーが減ってきたのではないでしょうか。

そして、近年 ミニシアターが増加し、大ヒットは望めなくとも良質なアジア映画が陽の目を見る機会も増え、その中に往年の邦画の流れを汲む、真直ぐなラヴストーリーを見ることができるのではないのかと感じる次第です。

さて、セレクト10本のトップは、このお洒落な香港映画からです。

かようねんか イン・ザ・ムード・フォー・ラヴ
『花様年華/IN THE MOOD FOR LOVE』

花様年華/IN THE MOOD FOR LOVE
主人公二人以外は記号化している、人々の中のたった二人の物語『花様年華/IN THE MOOD FOR LOVE』
アパートの隣人として出会う男(トニー・レオン)と女(マギー・チャン)。二人はそれぞれの連れ合いの裏切りにあっていることを知ります。しかも裏切りの相手が二人の連れ合いだという信じ難いほどの「小さな世界」のお話。

大筋からは俗っぽい不倫映画のような印象を受けるかもわかりませんが、本作の素晴らしさは、映画全体から滲み出る色香、ムードです。何から何までカッコいい、東洋の伊達さが凝縮されている一篇です。

近所の屋台へ買い物へ行くだけのマギー・チャンが、チャイナドレスを着てヘアスプレーを一本使い切っていると思うほどに固められたヘアスタイル。ポマードでピタリと決めたニヒルなトニー・レオンの姿。私たちが忘れ去った日本の昭和中期の「モガ・モボ」の姿をここに見たり!

・2000年/香港映画
・上映時間:98min
・監督:ウォン・カーウァイ
・出演:トニー・レオン 、マギー・チャン 、スー・ピンラン

アジアンビューティー  チャン・ツィイー登場!
『初恋のきた道』

初恋のきた道
チャン・ツィイーを見出したことでも映画史に残る『初恋のきた道』
都会からやってきた若い教師への初恋の想いを伝えようとする18歳のディ(チャン・ツィイー)。文盲のディは手作りの料理の数々にその想いを込めて彼の弁当を作ります。ディの気持ちに彼が気づき、いつしか二人の気持ちは通い合うようになります。しかし、時代の波「文化大革命」が押し寄せ二人を引き裂きます。少女は町へと続く一本道で愛する人を待ち続けるのですが……。

彼からプレゼントされた髪飾りを失くしてしまい朝から晩まで何日も何日も探す乙女の姿。現代日本が忘れてしまった「アジアの純真」に涙せずにはいられません。これほど男性の観客が号泣していた映画も記憶にありません。

・1999年/中国映画
・上映時間:89min
・監督:チャン・イーモウ
・出演:チャン・ツィイー、チョン・ハオ、スン・ホンレイ

テレサ・テンの名曲を映画の中で聴いてみる
『ラヴソング』

ラヴソング
プロローグとエピローグの同じ駅の意味を考える『ラヴソング』
プロローグは北京の駅の場面。中国から働きに出て来た青年(レオン・ライ)は香港でしっかり者の女(マギー・チャン)に出会います。二人はごく自然に愛し合うようになります。

やがて、稼いだお金を投資ですってしまった女は、やくざ組織の気の良い何故かミッキーマウス ヲタクの親分と知り合います。親分は組織抗争から香港をおわれますが、マギーは世話になった男(やくざの親分)を捨てて一人で行かせることは出来ませんでした。

雨の中、やくざの元に戻ってしまった女を待ち続け佇む青年の姿が印象的です。そして、物語はここから新たな展開となります。

・1996年/香港映画
・上映時間:118min
・監督:ピーター・チャン
・出演:レオン・ライ、マギー・チャン、エリック・ツァン

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