梅雨ですね。ジメジメしていて心も晴れない……そんな時は映画を見ましょう! 映画ライターの筆者が2026年6月公開のおすすめ作品5つピックアップ。スーパースターのマイケル・ジャクソンの逆境からの成功を描く作品、山田杏奈主演の組体操ホラー、カンヌ国際映画祭をわかせた濱口竜介監督の最新作など、実力派の映画がそろいました!
1:『Michael/マイケル』2026年6月12日公開

人類史上最も売れたアルバム『スリラー』、短編映画のようなミュージックビデオ、ムーンウォークなどを生み出し、世界中を熱狂させたスーパースター、マイケル・ジャクソン。本作は彼の音楽が生まれる瞬間とともに毒親に悩まされた私生活も描きます。
野心家の父親ジョセフ(コールマン・ドミンゴ)は息子たちをスターにしようと「ジャクソン5」を結成させてデビューに成功。マイケルの圧倒的な歌唱力はファンを魅了します。やがてマイケルはシンガーとして自立するために父から離れようとするのですが……。
マイケルが才能を開花させてスター街道を爆進しているその裏で、父親が息子の富と才能と自由を支配していたなんて……。また、普通に友達と遊びたくても、有名になりすぎたマイケルゆえに友人に恵まれなかったことも心が痛い。
一方、仕事ではアイデア豊富で次々と新しいエンターテインメントを生み出していくマイケル。本作はスーパースター誕生の瞬間に観客を立ち合わせてくれる“ファンサ”のようなエンターテインメント映画。マイケル役は甥のジャファー・ジャクソンが大熱演。歌唱シーンもふんだんにあるので、ぜひスクリーンで見ていただきたい!
監督:アントワン・フークア
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2:『NEW GROUP』2026年6月12日公開
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映画『みなに幸あれ』で不穏な行動のおじいちゃんとおばあちゃんに翻弄される孫の恐怖を描いた下津優太監督の最新作は、山田杏奈を主人公に、集団圧力を組体操を通して描いた新感覚のSFサイコエンターテインメント映画です。
高校生の愛(山田杏奈)は複雑な家庭で育ち、自分の意見を封印して周囲に合わせて生きてきた女子。そんな彼女が通う高校で奇妙なことが起こる。校庭で四つん這いになった生徒が1人。その数がどんどん増えていき人間ピラミッドができていくのです!
先生と生徒が組体操に参加していく中、愛は、転校生・優(青木柚)と組体操集団にあらがっていく。これまで周囲に流されて生きてきた女の子が、奇妙な出来事をきっかけに長いものに巻かれず、抵抗し、自分を取り戻していくのです。学校内での怪現象が地域にも飛び火して、みんなが暴力的になっていく様も恐ろしいようなおかしいような。この奇妙な世界をぜひその目で確かめていただきたい!
監督:下津優太
3:『エレノアってグレイト。』2026年6月12日公開

俳優・スカーレット・ヨハンソンの初監督作。ユダヤ人の親友を亡くしたシニアの女性が、彼女の物語を自分のことのように話したことから誤解が広がり、騒動になっていく様をユーモラスかつ感動的に描きます。
エレノア(ジューン・スキッブ)は、いつも一緒にいた親友のベッシー(リタ・ゾーハー)を亡くし、意気消沈していました。そんな中、ひょんなことからホロコースト生存者の会に入ってしまったエレノアは、ホロコーストの地獄を生き抜いたベッシーのつらい過去を語ったところ、エレノアのことだと勘違いされてしまうのです。
その会にいたジャーナリスト志望の学生ニナ(エリン・ケリーマン)がエレノアの話に感動。2人は仲良くなりますが、本当は親友の物語であると言えなくなってしまうのです。いつバレるかとドキドキしつつ、人と人とのつながりの大切さにしみじみ感動。スカーレット・ヨハンソンのセンスに脱帽です。
監督:スカーレット・ヨハンソン
4:『急に具合が悪くなる』2026年6月19日公開

第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品され、主演のヴィルジニー・エフィラと岡本多緒が最優秀女優賞を受賞した『急に具合が悪くなる』。『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督の最新作は、フランス人の介護者と日本人のがん患者が国境を超えて理解を深めていく姿を描きます。
介護施設で働くマリー=ルー・フォンテーヌ(ヴィルジニー・エフィラ)は新しい介護技術を浸透させようと奮闘中。そんなある日、日本人の青年(黒崎煌代)を助けたことで、舞台演出家の真理(岡本多緒)と出会う。意気投合した2人は会うたびに語り合い、ほほ笑み合う。しかし、真理の体調が急変し……。
マリー=ルーと真理の会話では、介護、人生、社会など今の私たちに大切なことがたくさん語られます。そこには生きる指針にもなるような言葉が数々あり、本当に胸を打たれます。
フランス語と日本語のやりとりも自然にすんなり入ってくるのですが、これは俳優2人の演技と濱口監督の演出の技ゆえでしょう。3時間を超える長尺ですが全く長さを感じさせず、言葉の数々、美しい映像、そして素晴らしい演技に吸い込まれてしまう。傑作だと思います。
監督:濱口竜介
5:『シンシン アンド ザ マウス/SINSIN AND THE MOUSE』2026年6月26日公開

吉本ばななの短編小説集『ミトンとふびん』に収録された短編『SINSIN AND THE MOUSE』を岸井ゆきの、台湾人俳優のツェン・ジンホアで映画化。静かで優しい時間が流れる癒やしの作品です。
母を亡くして以来、立ち直れず喪失感を抱えたままのちづみ(岸井ゆきの)は、友人に誘われて台湾旅行へ。そこで台湾人の母と日本人の父を持つシンシン(ツェン・ジンホア)と出会います。一生懸命日本語でちづみとコミュニケーションを取ろうとするシンシン。そんな彼と日々過ごすうちに、彼女の空虚な心は次第に満たされていくのです。
ずっと心が晴れなかったちづみが、彼女を元気づけようとするシンシンの思いやりに触れて、閉じていた心を開き始めるプロセスをとても丁寧に描いています。岸井はいつもと同じように素晴らしいパフォーマンス。そしてシンシンを演じるジンホアは、日本語での芝居はネイティブではない彼には大変だったと思うのですが、その頑張る気持ちがシンシンに重なり、とてもよかったです。台湾の観光スポットも登場。気持ちよく心をほぐしてくれるいい映画です。
監督:真壁幸紀







