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「燃え尽きるまで」妻を夫を愛せますか?(3ページ目)

また一つラヴ・ストーリーの名作が誕生しました。レオ&ケイト主演の『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』です。今回は、結婚と本作の総力特集をお届けします。

執筆者:中野 豊

ストーリー

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』の役名、フランクとエイプリル
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
1950年代、コネチカット州。フランク(レオナルド・ディカプリオ)とエイプリル(ケイト・ウィンスレット)のウィーラー夫妻は、ふたりのかわいい子供に恵まれた理想のカップルです。 “レボリューショナリー・ロード”にある閑静な住宅街に住んでいますが、そこは郊外に夢を求める人々の新天地でした。

フランクは元陸軍兵で、いまはニューヨークの事務機会社ノックスの社員。エイプリルはかつては女優志願だった美しい女性です。あるパーティの会場で知り合ったふたりは、人生が素晴らしいものになると信じて結婚しました。しかし、そんな新婚時代の夢も次第に色あせていきます。エイプリルは地元のアマチュア劇団の舞台に立ちますが、芝居は最悪の出来で、その怒りを帰りの車の中で夫にぶつけます。ふたりは激しい口論になり、心の中の不満を言葉にしました。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』のモーリーン
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
ある時、フランクは会社でタイピストのモーリーン(ゾエ・カザン)を目にとめ、彼女もフランクに好意を抱き二人は食事に出かけます。「父も同じ会社でセールスマンをしていた。そんな風になりたくないと思っていたが、結局はこんな人生を送っている」と話すフランク。その日、彼は30才の誕生日を迎え、アルコールの入ったふたりは、店を出て、モーリーンの部屋で甘美なひとときを過ごします。
 
夜になってフランクが帰宅すると、エイプリルはいつになくドレスアップをして、子供たちと笑顔で出迎えます。家ではフランクの誕生日を祝う準備が整っていたのです。やがて妻は彼に重大な決意を告げます。「みんなでパリで暮らしましょう」と。軍人時代、フランクはパリに駐在したことがあり、街に魅了されました。その思いをかつて妻に語ったことがあり、彼女も、また、パリを夢の街と考えるようになっていたのでした。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』のキッチンの二人
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
パリでは自分が働くので、フランクは好きなように暮らせばいい、とエイプリルは言い出します。かつては自分を特別な人間と信じていたが、今では他のみんなと同じになっていく。そのことにエイプリルは耐えられなくなっていたのです。妻の強い言葉に、最初は動揺するフランクでしたが、結局は一家でのヨーロッパ行きを決意。出発は秋に決めました。

翌日、会社に出勤したフランクは、いつになく上機嫌でした。移住する決意を会社で話すと、同僚たちは冷やかすような視線を送ります。パリ行きの波紋は隣人にも広がり、フランクとエイプリルの隣に住むシェップ(デヴィッド・ハーバー)とミリー(キャスリーン・ハーン)のキャンベル夫妻も、その決意に驚くばかり。フランクは自由に暮らし、エイプリルが仕事を見つけて彼を支えるという雲をつかむような計画に隣人夫婦は戸惑いを隠せません。しかし、フランクとエイプリルの気分は高揚、帰宅後 憧れのパリで失われた二人の夢が取り戻せると信じながらキッチンで激しく抱き合うのです。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』の隣人夫妻
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
ある日、フランクとエイプリルに家を紹介した不動産屋のヘレン(キャシー・ベイツ)と夫のハワードが、息子のジョン(マイケル・シャノン)を連れて、夫妻の家を訪れました。ジョンは精神を病み、病院に入っていたといいます。息子の将来を案じるヘレンは、彼の話し相手にフランクたちを選んだのです。病院では電気ショックを受けたこともあるというジョンは、鋭い言葉をフランクとエイプリルに投げかけます。そして「人生のどうしようもない空しさを乗り越えたい」というフランクをどこか冷めた目で見ていました。

レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』のジョン
(C)2007 Dreamworks, LLC.All Rights Reserved.
ふたりのパリの行きの準備は着々と進んでいたのですが、そんな時、ノックス社の取引先のバート(ジェイ・O・サンダース)からフランクのヘッドハンティングの話が持ち上がります。フランクの仕事に対する意欲に心を動かされ、コンピューターに関する新しいポストを彼に任せたいといいます。フランクはこの申し出に心を動かされながらも、移住の決意をバートに伝えるのです。

いよいよ、家も売りに出され、パリ行きの日が近づいてきました。そんな時、妻が衝撃の告白をします。彼女は3人目の子供を身ごもっていたのでした。それを知って生活のことを考え移住の決意がゆれ始めるフランク。夢の実現に出発を強行したいと考えるエイプリル。この夫婦の決断は思わぬ方向へ舵を取り、その先には氷山がまっているのかもしれません……。

[作品情報]
・2008年/アメリカ=イギリス映画/上映時間:119min
・監督:サム・メンデス
・脚色:ジャスティン・ヘイス
・原作:リチャード・イエーツ「レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで」(ヴィレッジブックス刊/早川書房刊)
・出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャスリン・ハーン、マイケル・シャノン、デヴィッド・ハーバー、キャシー・ベイツ
オフィシャルサイト


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