映画/映画関連情報

もう一度観たい60年代の名作Best5:欧州編(2ページ目)

もう一度観たい70年代の名作映画に続きまして、1960年代のベスト5をお届けします。第一弾は、アーティスティックなヨーロッパ映画から。

執筆者:中野 豊

第2位 『テオレマ』

テオレマ
猥褻の美学か?官能の芸術か?彼は何者なのか?『テオレマ』
新約聖書のマタイ伝を映画化した『奇跡の丘』、ギリシャ神話からオイディプス王の伝説を描いた『アポロンの地獄』と60年代のパゾリーニは凄い映画を立て続けに撮っていますが、ガイド一押しはパゾリーニ自らの脚本による本作『テオレマ』です。

イタリアはミラノのある工場経営者の家に謎の青年が訪ねてきます。モノクロ画面から青年の登場で突然カラー映像となり、彼が居ついてからこの家庭の皆がおかしなことになってゆきます。彼の不思議なムードに全員がとり憑かれたようになり、それぞれが肉体関係をもつようになります。青年が立ち去ると告げると、家族がおのおのの心の変化を告白し、彼が去ると家族ひとりひとりに大きな変化がみられるようになります。その変化の凄まじさは是非、ご自身の目でご確認ください。

[作品紹介]
・1968年/イタリア映画/上映時間:99min
・監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ
・出演:テレンス・スタンプ、シルヴァーナ・マンガーノ、アンヌ・ヴィアゼムスキー、ラウラ・ベッティ

第1位 『8 1/2』

8 1/2
人生は祭りだ!『8 1/2』
『8 1/2』=「はっか二分の一」と読みます。今の算数では八と二分の一ですよね。さて1960年に『甘い生活』という傑作を発表したフェリーニですが、自伝的作品と言われた本作がガイドのフェリーニ作品のNo.1です。

映画監督のグイドはある日、自分が空中から落ちてくる夢を見ます。いつも何者かに縛られているグイドは精神的に変調をきたし温泉療養に行くのですが、そこにも妻や愛人、そして仕事までが彼を追いかけて来るのです。

そんな時グイドの創作上の天使クラウディア・カルディナーレが現れたりと、現実も空想も記憶も同列に扱われ、人間の奥行き全体を描写します。そしてラスト、グイドの映画製作は中止となり、解き放たれたグイドは一同(ほとんどの登場人物)を誘って踊りだす絢爛たる大団円!
皆の姿が闇に消えてゆくと、最後に残った一人の少年が笛を吹いています。それはグイドの少年時代の姿でした。

[作品紹介]
・1963年/イタリア映画/上映時間:140min
・監督:フェデリコ・フェリーニ
・出演:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ


【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で洋画・邦画の DVD を見るAmazon で洋画・邦画の DVD を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます