70年代は名作映画の宝庫

アル・パチーノ
『狼たちの午後』のアル・パチーノ
イラスト:Koji Shiga
1975年に30年にも及ぶベトナム戦争が終結しました。混乱と躍動の1960年代後半から反逆的な思想を持った『俺たちに明日はない』、『イージーライダー』といった“アメリカン・ニューシネマ”によってアメリカ映画が再生され、70年代に入り『ある愛の詩』の大ヒットからハリウッド映画の復活がクロスオーバーしてゆきました。

70年代は様々なジャンルの映画がブームとなります。ブルース・リーが世界を席巻した『燃えよドラゴン』からのカンフー映画。『エクソシスト』を頂点としたオカルト映画。『悪魔のいけにえ』からのスプラッター映画。数々のマフィア映画、パニック映画、ベトナム戦争映画も創られた年代です。

そして、現役俳優としても活躍しているハリウッド映画の大御所、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロがスクリーンにその姿を刻み付けた70年代。以下5選からは漏れましたがアル・パチーノ主演作の『狼たちの午後』、『スケアクロウ』、『セルピコ』等も「もう一度観たい!」名作群です。

それではベスト5のカウントダウンの1本目から。

パニック映画の火付け役
第5位:『ポセイドン・アドベンチャー』

ポセイドン・アドベンチャー
これぞハリウッド映画『ポセイドン・アドベンチャー』
さて、ガイドの選出の「もう一度観たい70年代の名作映画」の1本目は、パニック映画(ディザスター映画)から、『大地震』、『タワーリング・インフェルノ』、『ジョーズ』を押し退けて本作品からの紹介です。

12月31日、あと数秒で新年を迎えようという時、太平洋上を航海中の豪華客船ポセイドン号が津波を真横から受けて転覆。着想はタイタニック号からでしょうが、この船は真っ逆さまの状態で徐々に沈みはじめます。助かる手立てはただ一つ? 船底に向かうことでした。

CG技術のない時代に、映画ファンが忘れていた「スペクタクル」な映像を大スクリーンで観た時の歓喜! これが映画です!! そして本作の素晴らしさは、逆さまの船内のダイナミックな描写とヒューマンドラマの過不足ない融合。リメイクの『ポセイドン』を観られてガックリされた方も、70年代屈指のパニック映画『ポセイドン・アドベンチャー』を是非、ご覧ください。

・1972年/アメリカ映画
・上映時間:117min
・監督:ロナルド・ニーム
・出演:ジーン・ハックマン、アーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、ロディ・マクドウォール、シェリー・ウィンタース

ニューヨーク派スコセッシが病んだ都会を活写した
第4位:『タクシードライバー』

タクシードライバー
カンヌ国際映画祭グランプリに輝く『タクシードライバー』
衝撃的作品で、同じ年に公開されたアカデミー作品賞受賞作『カッコーの巣の上で』と悩みましたが、今、もう一度観たいのはこちら、マーティン・スコセッシ監督の最高作『タクシー・ドライバー』です。

夜の街を流すタクシー・ドライバーのトラビスはニューヨークの恥部を見、堕落しきった世間に怒りを溜め込んでいます。ある日、銃を手に入れたトラビスは大統領候補者暗殺を企てますが途中で諦め、矛先を売春組織に向けるのです。70年代の病んだ大都会ニューヨークと無軌道な青年の衝撃のドラマは、その後の大国の都市型犯罪を見ているかのようで、鳥肌が立ちます。

・1976年/アメリカ映画
・上映時間:114min
・監督:マーティン・スコセッシ
・出演:ロバート・デ・ニーロ、シビル・シェパード、ピーター・ボイル、ジョディ・フォスター、アルバート・ブルックス、ハーヴェイ・カイテル

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