「70年代の名作映画ベスト5」は、アメリカ映画編、ヨーロッパ映画編に続きまして有終を飾る邦画をお届けします。

第5位は、自ら核爆弾を作り国を脅すアナーキーな若者の姿を執拗に描きだしたカルト的傑作の『太陽を盗んだ男』にしようとも思いましたが、悩んだ末、エンタテインメントとしても上出来の『新幹線大爆破』からスタートします。

ハリウッド映画『スピード』の原型ここにあり!
第5位:『新幹線大爆破』

新幹線大爆破
新幹線の乗客を人質にとった爆弾脅迫事件を描いた『新幹線大爆破』
時速80キロよりスピードを落とすと、爆発する装置が仕掛けられた乗り物が走行中で、人命が危機的状況にあるという設定は、キアヌ・リーブス主演の『スピード』が有名で、乗り物はバスでしたが、こちらは新幹線のひかり号です。サンドラ・ブロックの出世作『スピード』のバスは、寸断された高架を飛んで飛んで飛んで、飛行場に進入してからは回って回って回って回る♪ こちら 新幹線の方はレールの上を走行する列車ですから飛んだり回ったりはしません。

ヤン・デ・ポンの演出も冴えている『スピード』では、犯人はデニス・ホッパーの単独犯でしたが、こちらは、日本の名優・高倉健他の複数犯です。犯人対警察の知恵比べがサスペンスを盛り上げる展開は『スピード』と同様です。大筋をハリウッド映画『スピード』にパクられたのかもしれませんね?

[作品情報]
・1975年/日本映画/上映時間:153min
・監督:佐藤純弥
・出演:高倉健、山本圭、田中邦衛、田中邦衛、郷えい治、宇津井健、千葉真一、小林稔侍、志村喬

松本清張の同名小説を映画化した社会派サスペンス
第4位:『砂の器』

砂の器
美しくも哀しい人間の「宿命」をみせる『砂の器』
東京の鎌田で男の死体が発見され、今西と吉村 両刑事が捜査を開始します。被害者がある男とバーで交わされた言葉「カメダ」とは一体何の意味があるのか?人名なのか場所の名なのか? 懸命な捜査の末、刑事たちは事件の真相が30年前のある父子に関わりがあることを突き止めます……。

謎解きの鮮やかさや、東北日本海側の美しさ、そして交響詩「宿命」の大演奏と、日本映画史に残る堂々たるミステリー小説の映画化です。

[作品情報]
・1974年/日本映画/上映時間:143min
・監督:野村芳太郎
・出演:丹波哲郎、加藤剛、森田健作、島田陽子、山口果林、加藤嘉、春日和秀、笠智衆

ノンフィクションだという恐ろしさ
第3位:『復讐するは我にあり』

復讐するは我にあり
直木賞受賞の佐木隆三の原作の映画化『復讐するは我にあり』
5人を殺害したあと全国を逃亡した男を通して、人間の罪と救済を問う、今村昌平監督の代表作の1本。

映倫によって大幅なカットを余儀なくされたのが残念ですが、それでも恐ろしくもダイナミックなシーンが多く、鬼気迫る緒形拳の最高の演技は見るものを圧倒します。

[作品情報]
・1979年/日本映画/上映時間:140min
・監督:今村昌平
・出演:緒形拳、三國連太郎、ミヤコ蝶々、倍賞美津子、小川真由美、清川虹子


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