襟を正して観たいBest10と忘れられないMore 10

いつか書こうと思っていた、映画史上のベスト10! 今回は日本映画から立派かつ有名かつガイドも好きと三拍子揃い、襟を正して観たいBest10と、どれか一つ欠けてはいるかもしれないけれど忘れられない大好きな作品More 10の20本をお届けします。今回は一監督一作ではなく、良い作品ならば、同一監督でも何作も選出します。

はじめはBest10の第10位からカウントダウンで……。
   

日本映画名作ランキング10 ベスト第10位~第6位


第10位:『人情紙風船』
(1937年/上映時間:86min/監督:山中貞雄/出演:中村翫右衛門、河原崎長十郎)
・貧乏長屋に住む人々の日常を描いた山中貞雄監督の遺作です。その昔は小さな世界である長屋の中の色恋ざたを描いた人間模様を鋭くついた秀作。
 

 

第9位:『赤ひげ』
(1965年/上映時間:185min/監督:黒澤明/出演:三船敏郎、加山雄三、山崎努、団令子、桑野みゆき、香川京子、江原達怡)
・江戸幕府が開設した医療機関「小石川療養所」を舞台にした人間模様をオムニバス風に綴った感動巨編。
 

 

第8位:『となりのトトロ』
(1988年/上映時間:88min/監督:宮崎駿/声の出演:日高のり子、坂本千夏、糸井重里、島本須美、北林谷栄 )
・子供にだけ見える不思議な世界を描いた日本最高のアニメーションであり最上級のファンタジー!
 

 

第7位:『東京物語』
(1953年/上映時間:136min/監督:小津安二郎/出演:笠智衆、東山千栄子、原節子、杉村春子、三宅邦子、香川京子)
・小津作品は10内に入れておかないと……。巧いホームドラマとういうのはこういう作品のことなんだろうと思います。家族関係の崩壊のドラマととらえることもできる、日本映画を代表する逸品でしょう。撮影も観るところが多し。
 

 

第6位:『二十四の瞳』
(1954年/上映時間:156min/監督:木下恵介/出演:高峰秀子、天本英世、夏川静江、笠智衆、浦辺粂子)
・昭和3年から終戦までを背景に、若い教師と12人の生徒との交流を見せます。戦争によって純粋な心が踏みにじられていく様子を、時代の悲劇として伝えます。
 

 

日本映画名作ランキングベスト10 第5位~第1位

第5位:『羅生門』
(1950年/上映時間:88min/監督:黒澤明/出演:三船敏郎、京マチ子、志村喬、森雅之、千秋実)
・芥川龍之介の「藪の中」を原作に、平安時代に起った殺人事件に関わった3人の供述の食い違いを見せます。真実はどこにあるのか? こたえは文字通り藪の中。
 

 

第4位:『生きる』
(1952年/上映時間:143min/監督:黒澤明/出演:志村喬、日守新一、田中春男、千秋実、小田切みき、左卜全)
・市役所の市民課長が、自分は胃癌で余命いくばくもないことを知ります。その日から全く別人のように行動的に動きまわります。「生きる」ことの意義を追求した、5位に続いての黒澤映画です。
 

 

第3位:『浮雲』
(1955年/上映時間:124min/監督:成瀬巳喜男/出演:高峰秀子、森雅之 、中北千枝子、岡田茉莉子)
・自堕落な男を、地の果てまで追いかけるヒロインゆき子の半生を描く、女優、高峰秀子の最高作であり、この「変則的ラヴ・ストーリー」は日本映画史に永遠に刻まれるでしょう。
 

 

第2位:『飢餓海峡』
(1965年/上映時間:183min/監督:内田吐夢/出演:三國連太郎、風見章子、左幸子、加藤嘉、伴淳三郎)
・人間には裏表があります。この大河ドラマの主人公のように……。青函連絡船の事故を基に書かれた水上勉の小説の映画化です。日本映画史上最良のサスペンス運命劇!
 

 

第1位:『七人の侍』
(1954年/日本映画/上映時間:207min/監督:黒澤明/出演:三船敏郎、志村喬、津島恵子、藤原釜足、加東大介、木村功、千秋実、宮口精二)
・西部劇風の演出の傑作が西部劇の『荒野の七人』でリメイクされるという逆転現象を生んだ、黒澤作品の最高作品!何も言うことはありません。本作を未見の映画ファンはとにかく観るべし!
 

 

日本映画カルトランキングベスト10 第10位~第6位

本ページからはガイドの独断ですが、好きなファンも決して少なくない作品! カルト映画とも言えますが、視点を変えれば名作映画と言ってもいいMore 10をお届けします。

第10位:『鉄男』
(1989年/上映時間:67min/監督:塚本晋也/出演:田口トモロヲ、藤原京、叶岡伸、石橋蓮司、塚本晋也 )
・第9回ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞した、全身が金属に変化していく男の恐怖を描いたサイバーパンク・ホラーです。塚本監督は、その後も名編目白押しですが、まずはこのデビュー作を観るべし!
 

 

第9位:『KAMIKAZE TAXI』
(1995年/上映時間:169min/監督:原田眞人/出演:役所広司、高橋和也、片岡礼子)
・組に反旗を翻した若いチンピラと、彼と逃亡を共にするペルー育ちの日系のタクシードライバーとの交流を描くロードムービー!『復讐の天使/KAMIKAZE TAXI』のタイトルでOV作品として発売後に再編集し劇場公開されました。『タンポポ』もいいけれど、これが役所広司の出世作と言いたい逸品です。
 

 

第8位:『八月の濡れた砂』
(1971年/上映時間:91min/監督:藤田敏八/出演:広瀬昌助、村野武範、藤田みどり、テレサ野田、隅田和世、奈良あけみ)
・名作と言えるのかは考えるところですが、夏の湘南を舞台に無軌道な若者(いつの時代でも同じです)の姿を捉えます。作品の出来栄えもさることながら、石川セリの主題歌「八月の濡れた砂」を聞くと、今でも何故か涙がこみ上げてきます。
 

 

第7位:『一条さゆり 濡れた欲情』
(1972年/上映時間:69min/監督:神代辰巳/出演:一条さゆり、伊佐山ひろ子、白川和子、粟津號、高橋明)
・日活ロマンポルノ作品でもトップを争う秀作です。関西のストリッパー・一条さゆりと彼女をライバル視する踊子の対決と、ヒモとの関係を絡めて物語りは進みます。同監督『赫い髪の女』を凌ぐ日本ポルノの逸品。
 

 

第6位:『にっぽん昆虫記』
(1963年/上映時間:123min/監督:今村昌平/出演:左幸子、岸輝子、佐々木すみ江、北村和夫、小池朝雄)
・この時期は、今村昌平監督の秀作がドンドコ公開されました。その中でも売春宿の女たちを昆虫観察のように描く本作のダイナミズムは忘れられません。あのマーティン・スコセッシがとても影響を受けた一篇だと語っていました。
 

 

日本映画カルトランキングベスト10 第5位~第1位

第5位:『ゆきゆきて、神軍』
(1987年/上映時間:122min/監督:原一男/出演:奥崎謙三)
・アナーキスト奥崎謙三が、ニューギニア戦線で起きた疑惑の真相を探るべく当時の上官を訪ね歩く姿を追った日本ドキュメンタリー史上最も過激で最も優れた一篇。
 

 

第4位:『東海道四谷怪談』
(1959年/上映時間:76min/監督:中川信夫/出演:天知茂、若杉嘉津子、江見俊太郎、北沢典子、池内淳子)
・何度も映画化された「四谷怪談」の最高作。婿入りの話が出た伊右衛門は、お岩が邪魔になり、薬と称して、お岩に毒薬を飲ませて殺害したのですが……。
 

 

第3位:『CURE キュア』
(1997年/上映時間:111min/監督:黒沢清/出演:役所広司、萩原聖人、うじきつよし、中川安奈、螢雪次朗)
・奇怪な殺人事件が立て続けに発生。それぞれの事件の犯人につながりはないのですが、犠牲者の首から胸にかけてX字型に切り裂かれていること、またそれぞれの加害者に動機も殺意も感じられないという……。現代のサイコスリラーの最高峰。
 

 

第2位:『戦場のメリークリスマス』
(1983年/日本=イギリス映画/上映時間:123min/監督:大島渚/出演:デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、トム・コンティ、内田裕也)
・ラスト、捕虜と軍曹という立場が逆転した時「ローレンス!」と今は捕虜となったビートたけしがトム・コンティを呼び止め「メリークリスマス、ミスター・ローレンス」と微笑みながら声をかける場面は感動的です。
 

 

第1位:『愛のコリーダ』
(1976年/日本=フランス映画/上映時間:104min/監督:大島渚/出演: 藤竜也、松田暎子、中島葵、芹明香、阿部マリ子)
・『ラストタンゴ・イン・パリ』と比較される情交の限りをつくした作品で、76年当時のボケボケ版(ボカシ)を観ても本作の生臭さは伝わらないかもしれません。オリジナル版を観る機会があったらぜひご覧下さい。男女の愛の深さと軍国主義にのみこまれてゆく個人の姿も垣間見せます。第2位に続いて第1位も大島渚の海外との合作映画となりました。
 

 



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