映画/映画関連情報

おくりびと、おくられびと映画「4本立」(2ページ目)

最近観た邦画ダントツの出来栄え『おくりびと』の公開に合わせて、「死」をテーマにした『お葬式』、『愛と死をみつめて』、『楢山節考』をご紹介します。

執筆者:中野 豊

マコ、甘えてばかりで、ごめんね。ミコはとっても、幸せなの
『愛と死をみつめて』

愛と死をみつめて
実話の映画化『愛と死をみつめて』
浪人中の学生、高野誠が小島道子に会ったのは、誠が浪人中、阪大病院に入院したときでした。二人は退院し大学生活を送りますが、道子は軟骨肉腫という奇病で再入院。不治の病と知って誠に別れの手紙を書きますが、誠は道子をはげまし続け、難手術を繰り返します。遂には顔半分の切除まで行いますが、道子の21歳の誕生日に手術半ばで絶命。

道子の日記帳には誠との楽しい生活を夢みた、青春の悲しみと喜びが記してありました。 日本中の涙を絞りとった吉永小百合の代表作の1本。

[作品紹介]
・1964年/日本映画/上映時間:118min
・監督:斎藤武市
・出演:浜田光夫、吉永小百合、笠智衆、原恵子、宇野重吉、北林谷栄

信州の山深い寒村を舞台に、死を目前にした人間の生き様
『楢山節考』

楢山節考
深沢七郎の同名小説の映画化『楢山節考』
1983年の今村昌平監督版はカンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞しましたが、今回は木下惠介監督、田中絹代主演の1958年版のご紹介です。

黒子の口上で「東西東西、このところご覧にいれまするは本朝姥捨ての伝説より……」とはじまる本作は、深沢七郎の民話を歌舞伎の様式をもちいた古典的演出で映画化した木下惠介監督の革新的な一篇です。

70を過ぎた老人は子に背負われて、楢山の頂きに捨てられなければならぬという掟がある寒村を舞台に、神のもとに召されるという喜びを感じる老婆と、自ら母を死へ向かわせる息子の心情がものの見事に描かれています。

[作品紹介]
・1958年/日本映画/上映時間:98min
・監督:木下惠介
・出演:田中絹代、高橋貞二、望月優子、市川団子、宮口精二、東野英治郎


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