映画/映画関連情報

悪趣味・ヘンタイ映画!あなたは観ますか?

名作映画ガイドがお届けするバッド・テイストムービー!なんだか矛盾しているようでもありますが、エッジを超えればとんでもないARTが見え隠れするかもしれません?鑑賞するかどうかはあなた次第!

執筆者:中野 豊

文章:中野 豊(All About「名作映画」旧ガイド)
ガイドがまだ10代終盤(1970年代後半)、新宿のアンダーグラウンド映画専門の「アートシアターJYUKU」という小屋で観た『フリークス』と『ピンク・フラミンゴ』の2本立て(映倫未通過で字幕もボカシもなし)に度肝を抜かされたのが悪趣味映画との出会いです。

名作映画ガイドがお届けする悪趣味(バッド・テイスト)ムービー!なんだか矛盾しているようでもありますが、ある一線を超えるとアートとも言えるのではないでしょうか。醜い、不快、エログロ、残虐、鬼畜な表現を映画というメディアを通してやりたい放題 し放題の映画たちを様々な題材から拾ってみます。

ジョン・ウォーターズという変人

ピンク・フラミンゴ
1972年/アメリカ映画『ピンク・フラミンゴ』
実際のジョン・ウォーターズ監督は写真でみるかぎり紳士に見えますが映画の方は、そりゃあ酷い(褒め言葉)。最高作は『ピンク・フラミンゴ』で決まり!お話は世界で一番卑しい人間を競うというバカバカしいモノ!ハレンチ行為の数珠繋ぎで、どうかみなさん気絶なさらないように(笑)。

主演のディヴァインは本作でアングラ女王の座を勝ち取り、ウォーターズ監督作品の顔として、電気椅子送りになる不運な女の『フィメール・トラブル』、平凡な主婦がとんでもない目に遭う『ポリエステル』と悪趣味映画に連続出演!が、1988年に他界。ディヴァイン亡き後、ついにメジャーのキャスリーン・ターナーを起用して、とんでもない正義の殺人主婦を描いた『シリアル・ママ』を創りました。

異型のモノへの偏愛・サイドショウ的映画

クラッシュ
1996年/カナダ映画『クラッシュ』
デヴィッド・クローネンバーグ監督は異型のモノ・内臓フェチで、初期の作品『ラビット』は、ヒロインのマリリン・チェンパース(ポルノ女優)が交通事故後の異変により腋の下からエロティックな突起物が出て抱きついた相手の血を吸うという変り種のヴァンパイア・ホラー。『イグジステンズ』では脊髄に穴をあけて、腸のようなバイオケーブルで繋ぐ不気味な体感ゲーム映画。そんなクローネンバーグ作品のイチオシ異型モノと言えば『クラッシュ』でしょう。事故の衝撃を通して思わぬ性にエクスタシーを感じてしまう常人にはわからない人々。金属・傷フェチ映画の本作劇場鑑賞時、何人もの観客が席を立ったことをおぼえています。


フリークス
1932年/アメリカ映画『フリークス』
現在でも語り継がれている悪趣味映画の決定版『フリークス』を「人間の尊厳をテーマ」にした秀作であるという論調もありますが、本作は見世物小屋的な娯楽映画として創られたことは明らかです。この偉大な悪趣味映画の系譜には『バスケット・ケース』、『エレファント・マン』があります。

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