おくりびと、おくられびと映画「４本立」

誰にでも平等に起こる「死」。今回は、納棺師と言うあまり知られていない職業から死を見つめた新作『おくりびと』と、お葬式でのドタバタを描いた伊丹十三監督の文字通リ『お葬式』、青春時代の『愛と死をみつめて』、そして、民話・姥捨山を描いた『楢山節考』をご紹介します。

2008年の邦画No.1かもしれない傑作
『おくりびと』

『おくりびと』 9月13日全国ロードショー (C)2008 映画「おくりびと」製作委員会

東京でオーケストラのチェロ奏者をしていた小林大悟（本木雅弘）は、所属の楽団の解散をうけて演奏家を諦め、妻・美香（広末涼子）と共に故郷の山形に戻ることにします。

無職となった大悟は、ある日好条件の求人広告をみつけます。「年齢問わず、高給保証、実質労働時間わずか。旅のお手伝い。NKエージェント」。旅行代理店だと思った大悟は早速面接、面接官の会社社長（山崎努）は彼を見るなり採用を決め、給料はと尋ねると社長は片手を開きます。「５万ですか？」と聞く大悟に社長は50万だけど少ないかねと問うのでした。

仕事内容は会社名の「NK」＝納棺だったのです。遺体を棺に納める「納棺師」という暗そうな職業をテーマに、その仕事に就いた大悟の心の変化や、多くの死に向き合い、様々な人生・それぞれの愛をみつけてゆきます。

第32回モントリオール世界映画祭（2008年8月21日から9月1日まで開催）でグランプリ（「World Competition」部門"Grand prix des Americas"）を受賞! (C)2008 映画「おくりびと」製作委員会

『コミック雑誌なんかいらない』、『木村家の人びと』、『僕らはみんな生きている』、『壬生義士伝』等を超えた滝田洋二郎監督の最高作の登場です。

[作品紹介]
・2008年／日本映画／上映時間：130min
・監督：滝田洋二郎
・出演：本木雅弘、広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史
・オフィシャルサイト

ヒットメーカー！今は亡き伊丹十三の監督デビュー作
『お葬式』

日本の各映画賞を総なめにした『お葬式』

突然、妻の父がなくなったため、俳優の井上佗助は、葬式のビデオマニュアルで挨拶の勉強をしたりと、初めてお葬式を出すことになった一家の途方に暮れるさまと、お葬式に集まったおくる人々の多彩な生態を軽妙でユーモラスな演出で描いています。

伊丹監督は、自らの体験をもとに本作のシナリオを１週間で書き上げたと言います。

[作品紹介]
・1984年／日本映画／上映時間：124min
・監督：伊丹十三
・出演：山崎努、宮本信子、菅井きん、大滝秀治、財津一郎、岸部一徳、津川雅彦、奥村公延