テクノポップ/フューチャーポップ

Perfume対談~ライヴ論(2)(5ページ目)

しつこく、博士登場。Perfumeのワンマンライヴ、今度はちゃんとライヴ楽曲対談のつもりが・・・脱線する二人。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

チョコレイト・ディスコ

先生:
「スウィートドーナツ」からPerfumeのアンセムと言える「Perfume」で佳境を迎えますね。「飛びます!」でみんなジャンプです。「Perfume」って決してよくある自己紹介ソングではないんですよね。歌詞には「トップノート、ミドルノート、ラストノート」ってパフューマー(調香師)が作ったような曲です。

博士:
私的にはやはり「ぱ・ぱ・ぱ・ぱ~」の所でちょっと引きます。「SとN極」と言う、いかにもテクノロジーって感じの比喩とガチャガチャした曲調も飛ばしてしまいがちの曲でした。ご指摘どおりAメロ以降の歌詞は木の子独特の含蓄有るアバンギャルドな内容。楽曲的にもサビとAメロ以降では少し趣きが代わりそれが後半まるでバッハの二重フーガの様に融合し、今度は自然とサビに接続する様は見事です 。

以前より指摘している点ですが中田氏の音使いはどこか往年のワルターカーロスを彷彿とさせます。これはシンセ史上最も古いスタイルの一つでもあるのです。興味のある方は是非、スイッチト・オン・バッハを聞いていただきたいですね。

ビタミンドロップ~Seventh Heaven

先生:
アンコールは、会場によって最初は微妙に違ったようです。大阪は「ビタミンドロップ」。インストア・ライヴでも場所でかなり選曲を変えてくれるのは、Perfumeのファンサーヴィス精神の表れですね。

トリの「Seventh Heaven」はスルメ曲ですね。「どんだけ」と言えばIKKOですが、「ってどんだけ」はPerfumeです。

博士:
エンディングで定番だった「wonder 2」から予想通り今回は「Seventh Heaven」に変えてきましたね。
ちなみにワンダー2・・と聞いてワンダー3(手塚治虫のアニメ)を思い出すのは我々おっさんだけでしょうかね・・・。

余談ですが、あたりまえみたいな事に今更の様にふと気が付くと何か妙に感動したりします。テクノミュージシャンで売ってる中田氏ですが、一応“音楽家”で有る以上、私よりピアノだって上手いに決ってるわけで・・・このイントロも有りだよなぁ~何て・・・上手く言えないですがあのピアノには感動していまいました。

この曲はボディブローですね。初めは一瞬Aira Mitsukiの「キャンデーライトモード」かなぁと思わせた位でさして印象が無かったのですが、むしろニコニコ動画等での皆のいじりで真価が発揮されました。今となっては本家もうかうか変なプロモなんて作れ無いでしょうね。それだけ皆の心の中で進化、成熟していった曲と言えます。

ライヴでは皆、白いコスチュームに着替えてのパフォーマンス。前回でも触れた様に、王子様の様なのっち、お姫様の様なあーちゃん、そして聖職者の様なかしゆかと、この崇高な楽曲を奏でるのに十分な条件は整えられました。ここからの数分間はまさに最も高貴な天国に我々を誘ってくれました。再度アンコール無しは私的には正解です。あの余韻にひたりながら~。

先生:
Perfumeのライヴはやはり曲が資産ですね。「ポリリズム」に行くまでの売れていないにもかかわらず、出来のいいシングル曲に加えて、カップリング曲も1曲1曲ちゃんと振り付けもしており、ライヴでは盛り上がるんですよね。

博士:
まさにそうです。私たちは良い物・・を見たいんです。だから辛口の我々おっさんが“ハマる”わけです。これからのPerfumeに期待ですね。

先生:
なんだかんだで、Perfumeだけで4回も引っ張ってしまいましたね、このシリーズ。次は、来年1月16日に発売予定の両A面のシングル『Baby Cruising Love / マカロニ』に期待いたしましょう。

けろっぐ博士との対談シリーズです。
Perfume対談~アイドルの法則
Perfume対談~ファッション&楽曲分析
Perfume対談~ライヴ論(1)
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