張り紙を見て、8 1/2に加入

ガイド:
久保田慎吾さん、初めまして。今回、サニー久保田とオールド・ラッキー・ボーイズとして新譜『What’s your DREAM?』を久々にリリースされましたが、まずは古い話、8 1/2についてお聞きします。『東京ニュー・ウェイヴ79』には、1979年のライヒ館モレノでの8 1/2のライヴ音源が3曲収録され、異彩を放っていました。久保田さんはどのような経緯で8 1/2に参加するようになったのですか?

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東京ニュー・ウェイヴ79


久保田:
千葉にあるライヴハウスのメンバー募集欄に「Sex PistolsやRoxy Musicが好きなヴォーカル求む」という張り紙を見て、電話したのがきっかけです。
shingo

久保田慎吾


ガイド:
8 1/2というバンド名は、イタリアン・ネオリアリズムの巨匠、フェデリコ・フェリーニ監督の代表作となった1963年の映画『8 1/2』からですよね。戸川純さんも8 1/2ファンだったとか。同時期に活動していたパンク、ニューウェイヴ、テクノポップのバンドとはまた違う香りがします。ある意味、時代の先を行っていたと思いますが、どうでしょう?

8 1/2 (Discogs)
812

8 1/2


久保田:
カッコ良いと思えるモノが違っていたんだと思います。洋服の趣味が違ってたりとか…ですね。

幻のPrice

ガイド:
8 1/2は1980年に解散、そしてPriceとして高橋幸宏さんのプロデュースでデビューする予定だったんですよね。当時、『テクノ・ボーイ』という本にも登場されていたのを覚えています。Priceのアルバムはどうしてお蔵入りになったのですか?

久保田:
キーボードの国本君が抜けて空中分解してしまったというのが真相です。

『星くず兄弟の伝説』で主演

ガイド:
その後も、久保田さんは、サニー久保田&クリスタル・ヴァカンス、Muscle Beat、Shingo Kubota & Amigo 7、捏造と贋作…と様々なバンドでの活動をされていきます。僕にとって久保田さんの印象が鮮明に残っているのは、手塚眞監督の映画『星くず兄弟の伝説』(1985年)での「スターダスト・ブラザーズ」のシンゴ役としての久保田さんです。この映画で高木完さんとともに主演を務めることになった経緯を教えてください。

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久保田:
東京フリークスというイベントがあり近田春夫とビブラトーンズ、東京ブラボーと一緒にサニー久保田とクリスタル・バカンスで出演しているのを手塚眞監督が見に来ていて、自然と皆んなが仲良くなって映画を作ろうよという流れです。ただし、制作するまでには長い時間がかかりました。忘れた頃に撮影するよと声をかけられて、驚いた覚えがあります。

ガイド:
振り返って、この映画は久保田さんにとってどんな存在なのでしょう?

久保田:
あのハルヲフォンの近田春夫さん、高木タマちゃん、それから手塚眞監督、高木完などと同じ学校を卒業したような感覚。母校を愛する気持ちみたいなもので繋がっているような気がします。
そんな存在かな。