世界最大の滝=イグアスの滝の驚くべきスケール

ブラジル側から見たフロリアーノ滝。まさに水の壁。ここから滝の上へと続くエレベータがある ©牧哲雄

ブラジル側から見たフロリアーノ滝。まさに水の壁。ここから滝の上へと続くエレベータがある ©牧哲雄

まずそのデータからイグアスの滝のスケールを想像してみよう。

世界遺産登録されているアルゼンチン側とブラジル側、ふたつのイグアス国立公園を合わせると、その面積は22万6千ヘクタール。東京都の面積よりも広い。

滝の水量は多いときで毎分36億リットル。世界三大瀑布のナイアガラの滝はアメリカ滝とカナダ滝を合わせても毎分1億7千万リットルほど。同じく三大瀑布のヴィクトリアの滝が毎分5億リットル。

滝の幅は、イグアスの滝、ナイアガラの滝(アメリカ滝+カナダ滝)、ヴィクトリアの滝の順番で、2.7km、1km、1.7km。ちなみに日本でもっとも広い滝幅を誇るのは鹿児島県の曽木の滝で210m。

滝の数は水量の減った季節で150ほど、水量が増えると300近くにもなる。

イグアスの滝のそのケタ外れのスケールは、ナイアガラの滝との比較でわかるだろう。ナイアガラの滝は、日本では考えられないような巨大な滝として知られているが、イグアスの滝と比べてしまうと、川幅はアメリカ滝とカナダ滝を合わせても3分の1近く、水量に至っては20分の1にも満たない。イグアスに圧倒されたルーズベルト元大統領夫人は、「かわいそうな私のナイアガラ」と漏らしたとか。

イグアスの滝に突入せよ!

上の滝がリバダビア滝、下が三銃士滝と二銃士滝。ブラジル側から眺めた景色 ©牧哲雄

上の滝がリバダビア滝、下が三銃士滝と二銃士滝。ブラジル側から眺めた景色 ©牧哲雄

イグアスの滝がダイナミックなら、その見学の仕方もダイナミック。ぜひ参加してもらいたいのは、ブラジル側から滝に接近するボートツアーだ。

このツアー、ブラジル側のイグアス国立公園のサファリに組み込まれているのだが、私はどんなものかまったく知らずに参加した。蝶々やアナグマといった動物を見ながらのんびり国立公園を見学していたのだが、サファリの最後、何やらごついボートに乗り込んだ。

全身を覆うポンチョを貸してくれたので、多少濡れるらしいことはわかった。隣の西洋人は水着に着替えて完全武装だ。何を大げさな。

アルゼンチン側から見たビグア滝。ボートは滝の真下をくぐり抜ける ©牧哲雄

アルゼンチン側から見たビグア滝。ボートは滝の真下をくぐり抜ける ©牧哲雄

ボートは滝のように流れる川の上をジャンプしながら猛烈なスピードで上流へと駆け上がる。滝がグングン近づいてきて、視界一面水の壁だ。スゴイ! 船長は滝の前で船を静止させるとカメラを取り出して記念撮影。撮影を終えるとカメラをバッグの中に丁寧にしまいこむ。「さぁ、行くぞ」と叫ぶと、滝の中へ一直線!! 滝の水圧に体がグエッと押しつぶされる。何考えてんだ?

1回目のアタックを終えるとポンチョなんてほとんど役に立たないほどビショ濡れ。水着にすればよかった。船長は「2回目、行くぞ」。今度は横から回り込んで滝の裏を突き抜ける。完全な裏に入るとそれほど水も落ちてこない。これは楽しい。もう一度外へ出て3度目のアタック。みんな両手を上げて正面から滝に突っ込んだ。