世界遺産「イグアス国立公園」の生態系

ジャングルに覆われたサンマルティン滝をアルゼンチン側より望む。イグアスの滝の生態系は、アルゼンチン・ブラジル両岸に別々に存在する「イグアス国立公園」というふたつの世界遺産として保護されている ©牧哲雄

ジャングルに覆われたサンマルティン滝をアルゼンチン側より望む。イグアスの滝の生態系は、アルゼンチン・ブラジル両岸に別々に存在する「イグアス国立公園」というふたつの世界遺産で保護されている ©牧哲雄

世界のどの瀑布も同じだが、大きな滝の周囲は滝が舞い上げる水しぶきが深い森を生み出して、独特の生態系を作り出す。滝のすぐそばではシダやつる植物が絡み合って人が入ることもできない深いジャングルが広がり、その周囲では大きな落葉樹が空を覆うように折り重なる。

サファリ・ツアーでよく見かけたアナグマ。生態系を守るため、観光客に開放されているのは国立公園のわずか5% ©牧哲雄

サファリでよく見かけたアナグマ。生態系を守るため、観光客に開放されているのは国立公園のわずか5% ©牧哲雄

植物の種類は2,000種以上といわれ、鳥類は150種以上、昆虫にいたっては蝶ひとつとっても500種以上が確認されている。哺乳動物も80種以上がいて、散歩しているとしばしば見かけるアナグマやホエザルをはじめ、カピバラ、カワウソ、オセロット、大アリクイや、絶滅の危機に瀕しているジャガーやピューマ、哺乳動物以外ではイグアナやワニの仲間のカイマン、ハブなども生息している。

サファリに参加すると、アナグマをはじめ、様々な動物を見ることができる。特にイグアス国立公園は「蝶々の楽園」とも呼ばれており、サンゴに群れる熱帯魚のようにカラフルに舞う蝶の群れをあちこちで目にするだろう。現地ガイドがいうには「運がよければジャガーも見れる。週1~2度は出てくる」のだそう。サファリには途中徒歩の区間もあるのだが、「ジャガーが出たら危なくないのか」と聞くと、「たぶん大丈夫」。さすが、ラテン。

 

イグアスの滝 観光とアトラクション

イグアスの滝に伸びる遊歩道。雨季、水量の多い日は立ち入り禁止になることもある ©牧哲雄

イグアスの滝に伸びる遊歩道。雨季、水量の多い日は立ち入り禁止になることもある ©牧哲雄

イグアス国立公園はアルゼンチン、ブラジル、パラグアイの3国の国境に面しており、それぞれプエルト・イグアス、フォス・ド・イグアス、シウダー・デル・エステの街が観光拠点となる。といっても滝はアルゼンチンとブラジルにあるので、パラグアイに行く人は少ないだろう。

ブラジル側、サンタマリア滝の上の遊歩道 ©牧哲雄

ブラジル側、サンタマリア滝の上の遊歩道 ©牧哲雄

滝幅2.7kmのうち1/4がブラジル側にあり、残りはアルゼンチン側になる。どちらかというとアルゼンチン側の方が全体を広く見渡せるが、ブラジル、アルゼンチン双方から双方へ簡単に移動することができるので、最低でも2日用意して両サイドから滝を眺めたい。ちなみに、日帰り観光ならビザもスタンプも必要ないが、完全に出国して旅を続ける場合はビザや出国スタンプが必要となるので注意が必要だ。

イグアスの滝は観光面で非常に整備されている。自力で園内に入って見学して歩くこともできるが、見所をくまなく歩くと数日かかるほどの規模なので、効率よく回るために、園内のツアーに参加するのがオススメだ。

ツアーはアルゼンチン、ブラジルどちらにもあり、トラックや徒歩でジャングルを巡り、滝のほかに様々な動植物を見て回る。前ページで紹介したボートツアーはブラジル側のアトラクションだ。

ヘリコプター遊覧もオススメで、空中からなら幅2.7kmの滝の全貌を見ることができる。